リスクマネジメントにおけるリスク評価の方法は?目的やコツも解説
遠藤 香大(えんどう こうだい)
近年、企業が抱えるリスクが多様化していることもあり、リスクマネジメントの必要性を感じている企業は多いでしょう。リスクマネジメントを行ううえで欠かせないプロセスのひとつとして、リスク評価があります。リスク評価は、企業が直面し得るリスクに優先順位をつけて、リスクマネジメントの必要性を判断していく工程です。
この記事では、リスクマネジメントにおけるリスク評価の具体的な方法を解説します。実施する際のコツも解説しているので、あわせて参考にしてください。
こんな不安やお悩みはありませんか

目次
リスクマネジメントとは
リスクマネジメントとは、企業に起こり得るリスクをあらかじめ把握しておき、必要な対策を事前に行うことです。近年、地震をはじめとする自然災害が多発しています。さらに、AIの急速な発達によって情報管理の必要性が高まりリスクの幅が広がっています。事前にリスクマネジメントを行っていなければ、企業への損害が大きくなり、今後の企業存続にも影響しかねません。
リスクマネジメントを行うことにより、企業への損害を最小限に抑えられます。企業に起こり得るリスクを洗い出し、必要な対策を講じてください。
リスクマネジメントにはBCP策定が効果的
リスクマネジメントには、BCP策定が効果的です。BCP(事業継続計画)とは、地震や情報漏洩といった緊急事態が発生したときの対策や防止策をまとめた計画のことです。
緊急事態が発生したときは従業員も混乱した状況下にあるため、今行うべき業務を自ら判断して動くのは難しいケースが多いでしょう。
たとえば、自然災害が発生したときは従業員自身も被災者であり、事業を継続できないケースもあります。事前にBCP策定を行っていれば緊急事態時の行動や企業の方針が明確になっているため、次の一手を出しやすくなります。緊急事態時は事業の継続に大きな影響を与えることから、迅速な初動が重要であり、BCPが役に立つでしょう。
リスクマネジメントにおける7つのプロセス
リスクマネジメントにおけるプロセスは、以下の7ステップです。
- 企業内でリスクマネジメントの必要性を再確認する
- リスクマネジメントの基準を設定する
- リスクを特定する
- リスクを分析する
- リスクを評価する
- リスクへの対応策を立案・実施する
- モニタリングと改善を行う
リスクマネジメントのプロセスとは、企業で起こり得るリスクを認識して対応策を実施する過程のことを指します。各プロセスの具体的な方法については、以下の記事で詳しく解説しているため、あわせて参考にしてください。
なお、本記事ではリスクマネジメントのリスク評価について深掘りしていきます。
リスクマネジメントのリスク評価の目的
リスクマネジメントのリスク評価とは、前ステップまでに明らかとなったリスクに優先順位をつけていくことです。企業におけるリスクは複数考えられるため、同時にすべてのリスクの対策はできません。そのため、思いつく順番で対応策を考えるのではなく、リスクが与える企業への損失を最小限に抑えるために優先順位の高いものから対応していくべきです。リスク評価を実施すると優先的にリスクマネジメントが必要なリスクが明らかとなります。
なお、リスク評価を行う際は、評価基準となるリスク基準を設けます。リスクの評価結果にブレが生じないようにあらかじめ基準を設定すると、リスクマネジメントの必要性を判断しやすくなるでしょう。
リスクマネジメントにおけるリスク評価の具体的な方法
リスクマネジメントのプロセスにおけるリスク評価の具体的な方法は、以下のとおりです。
- リスク基準を設ける
- 分析結果をリスク基準に当てはめる
それぞれのステップについて解説します。
1.リスク基準を設ける
まず、リスク基準を明らかにします。リスク基準はリスクの重大性を評価するために用いられる基準のことであり、企業によってさまざまです。たとえば、業界内で法規制があれば、それに従ったうえでリスク基準を設ける必要があるでしょう。また、企業の今後を見据えて、リスクの重大性を決める場合もあります。
リスク分析を行う手段も検討しましょう。分析結果を数値化した場合、数値ごとに基準を設けたり、高・中・低でレベル分けしたりすると優先順位がつけやすくなります。企業を守るための最適な基準はどこにあるかを考え、リスク基準を明らかにしていきましょう。
2.分析結果をリスク基準に当てはめる
リスク評価の前ステップで明らかとなった分析結果を、リスク基準に当てはめます。
たとえば、リスクの発生頻度や影響度を可視化できるリスクマップを用いて分析を行った場合「損害大・高頻度」「損害大・低頻度」「損害小・高頻度」「損害小・低頻度」の4つにリスクを分類できます。仮に、リスク基準を以下に設けた場合、どのリスクがどの基準に該当するかが明らかとなるでしょう。
| 影響度 | リスク基準 |
|---|---|
| 損害大・高頻度 | 高 |
| 損害大・低頻度 | 中 |
| 損害小・高頻度 | 中 |
| 損害小・低頻度 | 低 |
リスク分析の結果とリスク基準を照らしあわせると、リスクマネジメントの優先順位が明らかとなります。そのうえで次のプロセスであるリスクへの対応策の立案や実施を行えば、優先順位の高いリスクからリスクマネジメントを実施できます。
リスクマネジメントのリスク評価を行う際のコツ
リスクマネジメントのリスク評価を行う際のコツは、以下のとおりです。
- リスク基準を明確にしておく
- 定期的に振り返りを行う
それぞれのコツを解説します。
リスク基準を明確にしておく
リスク評価を行う際は、リスク基準を明確にしておきましょう。先ほど解説したとおり、リスク評価を行ううえで、リスク基準が重要な要素です。基準を明らかにしないまま評価を行うと、曖昧な結果となってリスクマネジメントの優先順位を判断できません。また、感覚で判断していると、人によって優先順位に違いが見られるため、適切な対策を講じるのが難しくなります。
そのため、誰が見ても判断できるように、リスク基準を明確に定めることがポイントです。数値化したりレベル分けをしたりと、分かりやすい基準を設定しておきましょう。
定期的に振り返りを行う
リスク評価は、定期的に振り返りを行うのもポイントです。リスク評価はリスク基準の精度に左右されるため、定期的に振り返って現状を反映させる必要があります。たとえば、リスク基準が厳しすぎると感じた場合は、基準を見直したうえで再評価する場合もあるでしょう。
ただし、リスク評価の結果は絶対的ではない点に注意が必要です。リスク評価はあくまでもリスクマネジメントの優先順位を可視化するプロセスです。たとえ評価結果の優先順位が高くても、予算の関係ですぐに対策を講じられない場合もあるはずです。そのため、リスク評価の完成度を高めることに意識を集中しすぎるのではなく、企業にとっての最善策を見つけることに注力しましょう。
災害時におけるリスクマネジメントにはトヨクモ『安否確認サービス2』の活用がおすすめ
災害時におけるリスクマネジメントには、トヨクモの『安否確認サービス2』の活用がおすすめです。安否確認サービス2とは気象庁の災害情報と連動して、従業員への安否確認メールを自動で一斉送信できるシステムです。従業員は添付されたURLにアクセスすると安否確認を行えるため、スムーズに現在の状況を報告できます。さらに、従業員からの回答結果を自動で分析できるため、安否確認にかかる手間を大幅に削減できるでしょう。
なお、安否確認サービス2は、BCPに必須の機能が搭載されているのも魅力です。災害発生時は従業員の安否確認だけではなく、一部の従業員と今後についての議論や、あらゆる情報の共有をしなければいけません。そこで、安否確認サービス2では以下の機能を搭載しています。
| 機能 | 概要 | 利用例 |
|---|---|---|
| 掲示板 | すべてのユーザーが書き込めるため、情報共有に活かせる | ・被災状況の伝達 ・災害時のマニュアル掲載 |
| メッセージ | 宛先を指定したユーザーのみが閲覧・書き込みができる | ・一部の従業員との議論 ・部署単位での情報共有 |
| 一斉送信メール | 情報を一斉送信できる | ・被害状況の回答 ・災害時の対応 |
れらの機能は通常時も活用できるため、リスク評価に関する協議を行う際に平時から活用するといいでしょう。日頃から操作して使い慣れておけば、非常時の混乱を避けられます。
リスクマネジメントにおけるリスク評価を理解しよう
リスクマネジメントとは、企業が直面し得るリスクを把握したうえで必要な対策を講じることです。企業はあらゆるリスクが発生する可能性があり、今後の企業存続のためにもあらかじめ準備をしておかなければいけません。
なお、リスクマネジメントにおけるリスク評価では、起こり得るリスクに優先順位をつけることを目的としています。あらゆるリスクを抱えているからこそ、欠かせないプロセスと言えるでしょう。リスクマネジメントを適切に行うためにも、正しくリスク評価をしてください。
なお、災害時にはトヨクモ『安否確認サービス2』の活用も欠かせません。迅速に従業員の安否確認を実施でき、今後の事業継続についても話し合えます。災害時のリスクマネジメントを実施予定の方は、導入してはいかがでしょうか。
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編集者:遠藤 香大(えんどう こうだい)
トヨクモ防災タイムズ 編集長 RMCA BCPアドバイザー トヨクモ株式会社で災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案や情報発信に携わる。トヨクモ防災タイムズではBCPや災害対策に関する記事の企画・執筆・編集を担当。専門家との連携や現場視点を取り入れながら、読者に寄り添う防災情報の発信を目指している。
