【専門家監修】地震がもたらす6つの二次災害|安全を守るための対策を紹介
坂田 健太(さかた けんた) トヨクモ株式会社
令和6年能登半島地震では、建物倒壊や排水管破損による断水、道路崩落による交通遮断など、さまざまな被害が発生しました。
(参考:内閣府 防災情報のページ|令和6年能登半島地震による被害状況等について)
このような大規模な地震で注意したいのが二次災害です。例えば、建物倒壊が偶然にも火災につながり炎や熱風が人や住宅を襲う、断水によって生活環境が不衛生になり感染症が蔓延するなど、地震が副次的にさらなる災害を発生させる可能性があります。
この記事では、企業防災の啓蒙やBCP策定のサポートを行うトヨクモ株式会社 防災士の坂田が「地震がもたらす6つの二次災害と、その対策のポイント」をわかりやすく解説します。当記事を参考にしていただくことで、地震発生時の被害を抑える助けになればと考えています。
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関連記事:【防災士監修】企業防災チェックリスト|企業が取り組むべき40の対策
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目次
地震がもたらす二次災害とは?一次災害との違い
地震は、建物倒壊のように直接的に影響する一次災害だけではなく、津波や土砂崩れ、火災など副次的に発生する二次災害があります。
なお、二次災害は、一次災害が発生してから数時間から数日ごに発生することが多く、時間的な猶予があるため、適切な知識と対策があれば被害を軽減することができます。
| 一次災害 | 二次災害 | |
|---|---|---|
| 発生タイミング | 地震発生時 | 地震発生後 |
| 発生原因 | 地震の揺れや地盤変化 | 一次災害の影響 |
| 被害 | 建物倒壊や道路崩落など | 津波、火災、土砂崩れ、断水、停電など |
| 予測可能性 | 困難 | 比較的容易 |
| 対策 | 耐震化など | ハザードマップを考慮した場所選び、備蓄品の整備、避難など |
6つの二次災害と対策
地震がもたらす6つの二次災害を紹介します。どのような災害が発生する可能性があるのか正しく知り、対策しましょう。
1.余震
余震とは、地震が発生したあとに連続して発生する地震です。
ここで注意したいのは、余震は、大規模地震後の小さな地震ではないということ。発生した地震と同等もしくはそれ以上の大きな揺れが数日、場合によっては数週間続く可能性があります。そのため、気象庁では誤解を招かないよう「余震」という表現は現在用いていません。
本震と同様に建物倒壊や家具の転倒、そして二次災害といったリスクを踏まえた対策をしましょう。
対策
- 避難
- スマートフォン・ポータブルバッテリーの充電
- 家具の固定
- ブレーカーを切る(停電した場合、復旧時の通電によって起こる通電火災の予防)
- 貯水
- 避難経路の確保、ドアや窓を開ける など
2.火災
火災は、地震の揺れによる電気配線のショートや電化製品の誤作動、破損により発生します。
阪神・淡路大震災では、地震後の285件の火災が発生しました。火災は、特に地震動の大きかった地域を中心に、地震直後に同時多発し、地震から1時間以上経過しても断続的に発生。出火点の分布は、震度6以上(特に震度7)の地域に多く、家屋被害とほぼ比例しているというデータも出ています。
(参考:内閣府 防災情報のページ|阪神・淡路大震災教訓情報資料集【04】火災の発生と延焼拡大)
火災を防ぐために、発生原因となる電化製品を停止させる、火災発生に備え避難経路の確認、濡れたハンカチやビニール袋を用意すると良いでしょう。
対策
- 避難
- ブレーカーを切る(停電した場合、復旧時の通電によって起こる通電火災の予防)
- 家電製品の電源を切る、コンセントと繋がっている場合は、配線を外す
- 濡れたハンカチ、ビニール袋を用意する(火災発生時ビニール袋を使用する場合、長い時間使用し続けると、窒息の危険があります)
- 避難経路の確保、ドアや窓を開ける など
3.津波
津波は、大規模な地震によって震源に近い海底に上下方向のずれ(断層)が現れ、それによって生じる海水面の盛り上がりや落ち込みによって起こる波です。
1960年に発生した、チリ地震津波では、日本の太平洋沿岸を襲い、北海道、三陸などを中心に死者行方不明者139名をはじめ、家屋、耕地、船舶及び水産関係に大被害を与えました。中でも、岩手県沿岸では、津波の波高が高く、いくつかの湾において5m以上の大津波が襲いました。このように、17,000km程度、地球の真裏近くに位置する国で起きた地震によって発生した津波が日本に到達し被害を与えるケースもあるため、国内外の地震に注意する必要があります。
(参考:内閣府 防災情報のページ|特集 津波について知ろう)
(参考:内閣府 防災情報のページ|災害対応資料集)
平時にハザードマップで、津波によって想定される浸水深を確認し、浸水区域の場合には、安全地帯への避難経路の確認や避難訓練を実施しましょう。
対策
- 海や川から離れる
- 高い場所へ避難する(避難は原則徒歩でする。車の場合、渋滞に巻き込まれる可能性があります)
- ハザードマップで浸水深、近くの安全地帯を確認
- 避難訓練の実施 など
4.地割れ・液状化現象
地割れや液状化現象は、干拓地や埋め立て地、河川沿いの低地で発生しやすいです。
東日本大震災では、関東の広い範囲で液状化現象が発生しました。重いマンホールが持ち上がるほどの砂の噴出や、家屋、電信柱などの傾斜や沈下、また、水道、電気、ガスといったライフラインが一時ストップする被害が生じました。
(参考:内閣府 防災情報ページ|特集 東日本大震災)
国土地理院のハザードマップで、液状化発生の可能性を確認できるので不動産の購入・賃貸する場合には事前に確認、自宅や会社の所在で液状化の発生可能性がある場合には、ライフライン寸断に備えた、備蓄品を用意すると良いでしょう。
対策
- 対策
- 乾電池対応・手回し式の充電器の常備
- 保冷剤、保冷ケースの常備
- 非常用トイレの常備
- 飲料水、非常食の常備
- カセットコンロ・ボンベの常備
- 貯水 など
(参考:国土地理院|ハザードマップポータルサイト)
5.土石流・落石・落盤など
2016年の熊本地震で、158カ所で土砂災害が発生しました。さらに、その年6月の梅雨前線豪雨により土砂災害が発生し、死者15名の人的被害も出ています。
地震の発生時期によっては、台風や大雨など、他の災害の影響で、被害が拡大することもあります。ハザードマップで土砂災害リスクの確認、さらに日本の天候状況も考慮した対策を講じましょう。
対策
- 乾電池対応・手回し式の充電器の常備
- 保冷剤、保冷ケースの常備
- 非常用トイレの常備
- 飲料水、非常食の常備
- カセットコンロ・ボンベの常備
- 貯水 など
7.エコノミークラス症候群・感染症
地震後、自動車や避難所の個人スペースのような狭い空間で、長時間同じ体制でいると血行不良が起こり、その結果血の固まりが血管に詰まって血栓症を起こすことがあります。このような症状をエコノミークラス症候群といいます。
手足の痺れやふくらはぎの痛み、しゃべりにくい、息切れなどの症状があれば、エコノミークラス症候群の可能性があるため、直ちに医療機関を受診しましょう。
また、避難所などで共同生活をする場合、インフルエンザやノロウイルス感染症など季節性の感染症にも注意する必要があります。
対策
- ゆったりとした服装をする
- 適度に体操やストレッチ運動を行う
- こまめに水分補給をする
- マスクの着用
- 手洗い・うがいの徹底
- 換気 など
企業の二次災害対策
地震などの災害は、企業にも被害をもたらします。オフィスや設備の被害、従業員が確保できない、取引停止による売り上げ減少など、事業継続にも大きな影響を及ぼす可能性があるため、災害対策は企業にとって重要な課題となっています。
従業員の安全確保
企業は、従業員が安全かつ健康に働けるよう配慮することを労働契約法第5条で定められています。
(労働者の安全への配慮)
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
また、労働安全衛生法では、安全配慮義務が定められており、災害時に従業員の安全を確保しなかった、出勤できない状態にも関わらず出勤させたなどの対応を行なった場合には、企業に罰則が課せられる恐れもあります。
(事業者等の責務)
第三条 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。
このような法律、規則的な側面もありますが、従業員の安全確保は事業継続・復旧でも重要です。大前提として、人の命より大切なものはない、そして人がいなければ事業も動かないということを念頭に置いて、危機管理担当者は対策を講じましょう。
二次災害を考慮したBCP(事業継続計画)を策定する
緊急事態に企業が対応するためには、事前の対策・計画が必須です。対策が不十分だった場合、事業継続が困難となり、最悪の場合事業収縮や倒産につながることも。損害を最小限に抑えるために、必要なのがBCP(事業継続計画)です。
BCPを策定していない、策定はしているが二次災害は考慮できていないという場合には、この機会に対策しましょう。
BCP関連のセミナーに多く登壇し、BCPの啓蒙や策定のサポートを行うトヨクモ株式会社 防災士の坂田が「BCP策定の手順」を詳しく解説した記事がありますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:【図解】BCP策定6つの手順|注意点をステップごとに解説
二次災害の対策・計画をしっかり練ろう!
ここまで説明してきたように、災害発生時は一次災害だけではなく、二次災害にも注意する必要があります。
企業が事業を継続するためには、二次災害まで見越した対策・計画が必要です。災害発生後に迅速な事業継続・復旧を実現させるためにも、平時に防災マニュアルやBCPを策定し、訓練などを通して体制を強化し、未来の大災害に備えましょう。
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執筆者:坂田 健太(さかた けんた)
トヨクモ株式会社
企業の防災対策・BCP策定を支援するメディア「トヨクモ防災タイムズ」を運営。防災・BCPの専門家として、セミナー講師や専門メディアでの記事執筆も行う。 主な執筆記事に「BCPって何? ~中小企業の経営者が知っておくべき基礎知識~」「他人事では済まされない! BCP未策定が招く経営危機と、”備える”ことの真の価値とは?」(ともにニッキン ONLINE PREMIUM)などがある。