リスク対応とは?取り組むべき理由や4つの方法、進め方を解説

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トヨクモ防災タイムズ編集部

災害や情報漏洩などで企業が被害を受けたニュースを見聞きし、リスク対応の必要性を感じたという方もいるのではないでしょうか。リスク対応は、不測の事態による企業の損失を抑えるリスクマネジメントの取り組みの一つとして重要です。

本記事では、リスク対応の内容や取り組むべき理由、リスク対応の4つの方法、進め方について解説します。企業の経営やリスク管理に携わる方は、ぜひ参考にしてください。

リスク対応とはリスクへの対処方法を決めて実行すること

リスク対応とは、企業で起こり得るさまざまなリスクについて適切な対処方法を検討して計画を立て、実行することです。

リスク対応は、企業がリスクを管理するリスクマネジメントのプロセスに含まれます。リスクマネジメントにおける最初の工程は、リスクを洗い出した上で影響度や重要度の分析を行うことです。その後、実際にリスクに対処する工程として、リスク対応が実施されます。

リスク対応に取り組むべき理由

企業がリスク対応に取り組むべき理由は、自社や取引先企業、顧客などに損失を与えるトラブルができる限り発生しないようにするためです。たとえば、サイバー攻撃による個人情報の流出などのトラブルには、情報の保管方法やネットワークのセキュリティ対策を見直すことにより対処しやすくなります。

また、万が一トラブルが起きてしまった場合に、被害を最小限に抑えることもリスク対応に取り組むべき理由です。自然災害など発生タイミングが予期できないリスクについても、リスク対応を行っておくことにより損失を小さくし、復旧に向けた取り組みを迅速に進められます。

リスク対応の4つの方法と具体例

リスク対応の方法には、大きく分けて以下の4つがあります。

  • リスク回避
  • リスク低減
  • リスク移転
  • リスク保有

ここでは、それぞれの内容や具体例を解説します。

リスク回避

リスク回避とは、損失が生じる可能性のある要素や行動そのものを取り除くことです。

たとえば、新規事業を立ち上げるという行動について、成功したときに得られる収益と失敗した場合の損失をシミュレーションし、損失が大きいと予想される場合に新規事業の立ち上げを中止することがリスク回避に該当します。

また、社内で使用している老朽化したシステムについて、セキュリティ上のリスクを考慮して破棄することもリスク回避の一例です。

企業にとっての必要性が低い取り組みや資産については、リスク回避による対応が有効です。

リスク低減

リスク低減とは、リスクが起こる可能性を抑えたり、リスクが起きてしまった場合の影響を小さくしたりする対応を指します。また、両者の取り組みを並行して実施する場合もあります。

リスク低減の例としては、社内で保管している機密情報へのアクセス権限を管理することや、サーバールームへの入退室管理システムを導入することなどが挙げられます。これらの対策により、情報流出や不正アクセスなどのリスクの低減が可能です。BCP(事業継続計画)の策定や、災害発生時に備えた安否確認体制の整備なども、リスク低減の取り組みに含まれます。

事業運営における必要性が高く、中止や排除による対処が難しい資産や取り組みについては、リスク低減を行うことが重要です。

リスク移転

リスク移転とは、リスクが発生してしまった場合の影響を自社以外の第三者に移すことです。

たとえば、地震保険や火災保険への加入が挙げられます。保険会社にリスクを移転することにより、災害による損失が発生した場合の損失を抑えられます。また、自社のサーバーから専門業者が運営するデータセンターに情報を移し、監視の代行を依頼することもリスク移転の一例です。

自社のリソースだけでは十分な対応が難しい事象については、リスク移転による対策が適しています。

リスク保有

リスク保有とは、リスクが存在する状態をそのまま継続することです。

たとえば、自社で使用している古いシステムに小さな不具合が発生するものの、業務への影響が少ないため、そのまま使い続けるという判断がリスク保有に該当します。

リスクへの対処にかかるコストと比べて得られるリターンが小さい場合や、現実的な対策が存在しない場合などにはリスク保有が適しています。

リスク対応の進め方

リスク対応の進め方は、以下のような工程に分けられます。

  • 1.リスクの特定と評価
  • 2.リスク対応の方法を決定
  • 3.リスク対応計画の作成
  • 4.リスク対応の実行と監視

ここでは、リスク対応の進め方について解説します。

1.リスクの特定と評価

リスクの特定とは、企業の目標達成を妨げる要素や、損失が発生する可能性がある事象などをすべて洗い出すことです。

この工程では、財務リスクやセキュリティリスク、自然災害リスクなどさまざまな種類のリスクを明確化し、リスクの一覧表を作成します。リスクを特定する方法としては、社内でのブレインストーミングやアンケート、過去に実際に発生したリスクを参照することなどが有効です。

自社が抱えるリスクを明らかにすることにより、何に対してどのような対策をするべきかを適切に把握できます。

また、洗い出したリスクに対する評価も行います。リスクに対する評価では、リスクが生じる可能性や発生した場合の事業への影響度などを分析します。リスクを評価することによって、優先的に対処するべきリスクがどれかを判断しやすくなります。

2.リスク対応の方法を決定

洗い出したリスクに対して、どのような方法で対応するかを決めます。以下の4つの中から適切な対応方法を選ぶことが重要です。

  • リスク回避
  • リスク低減
  • リスク移転
  • リスク保有

リスク管理の担当部署だけでなく、実際に業務にあたっている部署からの意見も踏まえて、リスク対応の方法を決定しましょう。

3.リスク対応計画の作成

次に、リスク対応を進めるための計画を作成します。リスク対応計画に盛り込むべき情報の例は以下のとおりです。

  • リスク対応のスケジュール
  • リスク対応の責任者
  • 必要な人員やコストなどのリソース
  • 対応が完了したことを判断する基準

リスク対応を滞りなく進められるように、具体的な計画を立てましょう。

4.リスク対応の実行と監視

計画に沿ってリスク対応を実行し、進捗状況や得られた結果などを監視します。リスク対応を進めていく上で、計画を立てた当初と状況が変わったり、新たなリスクが発生したりする場合もあります。リスク対応の状況を定期的に記録・監視し、必要に応じて対策の見直しや計画の修正を行うことが重要です。

まとめ:リスク対応を適切に行い経営リスクを抑えよう

リスク対応とはリスクマネジメントの工程の1つであり、特定したリスクをどのように対処するかを決め、実行することを指します。リスク対応には大きく分けてリスク回避・リスク低減・リスク移転・リスク保有の4種類があり、リスクの内容や自社の状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。

リスク対応を進める際は、まずはリスクの特定と評価を行った上で、リスク対応計画の作成、施策の実行と監視を行う必要があります。リスク対応を適切に行い、経営リスクによる悪影響を最小限に抑えましょう。

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