企業における安否確認の重要性とは?基本的な手順や行う際のポイントを解説

坂田 健太(さかた けんた)
地震や大雨など自然災害の際に、企業は従業員の安否確認がスムーズに行えるよう体制を整えておく必要があります。
そこでこの記事では、企業における安否確認の重要性を解説します。また、従業員の安否確認を行う際のポイントや安否確認システムを導入するメリットなども紹介しているので、あわせて参考にしてください。
目次
企業にとっての安否確認の重要性
そもそも企業にとっての安否確認とは、災害時に従業員の生存や被害状況を把握することです。安否確認は、事業の継続に向けてどう対応するかの判断材料となります。たとえば、震災時に安全に出社できる従業員を把握できれば、出社が困難な従業員に代わり臨時で出社してもらったり、現場の復旧作業にあたってもらったりといった指示が出せるでしょう。
企業は災害時に従業員の生命を守り、事業を存続し従業員の雇用を守る必要があります。そのため事業を早期再開するための計画(BCP:事業継続計画)が重要です。事業継続の要となる従業員の安否確認は、BCPのスタート地点とも呼べるでしょう。
企業が果たすべき安全配慮義務とは
企業は従業員に対して、安全配慮義務を負っています。安全配慮義務とは、いかなる場合であっても従業員の生命や安全を確保する義務のことです。労働契約法第5条には、以下のように記されています。
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
引用:労働契約法(◆平成19年12月05日法律第128号)
企業は従業員の労働に対して賃金を支払います。ただし、「お金さえ払えば、どんな仕事をさせてもいい」とはなりません。常に従業員の安全に配慮し、労働しやすい環境を用意する必要があります。
従業員に対しての安全配慮義務は災害が発生したときにも適用されるため、企業は従業員の安否確認を行いつつ安全を確保しなければいけません。果たされなければ、損害賠償責任を負う可能性もあります。さらに社会的な信用も失い、企業としての価値も低下する恐れがあるでしょう。
企業が従業員の安否確認をする際の基本的な流れ
災害が起きたとき、企業は以下の手順に沿って従業員の安否確認を行います。
- 従業員の安否確認を行う
- 情報を集計し現状把握する
- 従業員に応じた指示を出す
それぞれのステップを詳しく解説します。
1.従業員の安否確認を行う
まず、災害が起きたら従業員全員の安否確認を行いましょう。たとえば、全員から以下のような情報を集めます。
- 無事なのか
- 家族の無事が確認できているか
- 住居は被災しているか
- 怪我をしていないか
- 会社に出社できるか
従業員に指示を出す立場の管理者は、従業員の状況を確認すると同時に各市町村や気象庁などが出す情報から、各地域の被災状況や避難の必要性などを確認します。
従業員との連絡手段としては電話やメール、チャット、SNS、通信事業者が用意する災害用伝言板を活用します。災害時は混乱が生じているため回線もパンクしやすいため、あらゆる手段で連絡を取れるようにしておきましょう。安否確認専用サービスを用いると、災害時にも連絡が取りやすいためおすすめです。
2.情報を集計し状況判断する
管理者は従業員の情報を集計し、状況判断を行います。部署や被害状況ごとに情報を閲覧できるようにしておくと、混乱した状況の中でも指示を出しやすくなります。たとえば、本人と家族が無事で出社可能な状況にある従業員が十分に確保できそうであれば、翌日も通常通り事業を継続する判断ができるでしょう。
3.従業員に応じた指示を出す.情報を集計し状況判断する
ある程度の情報が集まったら、従業員の状況に応じて適切な指示を出しましょう。たとえば、地震発生直後で、まだまだ予断を許さない状態であれば、従業員には身の安全を最優先してもらうことも重要です。緊急対応ができる従業員がいれば出社してもらって、事業継承に必要な対策を講じてもらうべきケースもあるでしょう。まずは、従業員1人ひとりの身の安全を優先しながら、いまできることを確実に進めていくことが大切です。
企業が従業員の安否確認を行う際のポイント
災害時は混乱が生じているため、従業員とスムーズに連絡を取る必要があります。そのため、安否確認を行う際は以下の点に注意しましょう。
- 災害時でも連絡が取れる方法を統一しておく
- 普段から災害時を想定した訓練を行う
それぞれの詳細を解説します。
災害時でも連絡が取れる方法を統一しておく
従業員の安否確認をスムーズに行うためには、災害時の連絡手段を統一しておく必要があります。たとえば、従業員の電話番号しか知らない状態だと、災害発生直後の混乱した状況下で連絡を取るのは困難です。電話の回線が混み合ってつながらない可能性も考えられます。
ただし、メールやチャットシステム、SNSなど従業員ごとに連絡手段が違うと管理者が混乱し、安否確認の抜け漏れが発生する恐れがあります。そのため、全員と連絡が取れる統一した手段を確保しておきましょう。
連絡手段を統一すると、災害という非常事態でも効率よく安否確認しやすくなります。企業向けの従業員の安否確認システムを導入すると、災害時の状況把握がスムーズになりおすすめです。
普段から災害時を想定した訓練を行う
企業がスムーズに従業員の安否確認をするためには、普段から災害時を想定した訓練を行いましょう。
災害が起きたときに、どのように従業員に連絡すればいいのかわからなければ、スムーズな情報収集はできません。また従業員が安否確認のメールを受け取っても、回答方法がわからないと被害状況を把握するのが難しいでしょう。
そのため、普段から災害意識を高めておくことが大切です。防災訓練のように、安否確認メールのテストを行うなど、従業員とスムーズに連絡が取れる体制を構築しておくと、万が一の事態が起きたときも落ち着いて行動できます。
災害時の備えはトヨクモの安否確認サービス2がおすすめ
地震をはじめとする災害時には、従業員の安否確認を自動で行えるトヨクモの『安否確認サービス2』の利用がおすすめです。気象庁の災害情報と連動して、従業員の連絡先に自動で安否確認メールを一斉送信できます。メールアドレスへの連絡のみならず専用アプリやLINEとの連携もできるため、安否確認通知が届かないといったトラブルの防止になります。操作性も簡単なので、緊急時でも直感的に安否確認を行えるでしょう。
また、一斉送信の回答状況や怪我の有無などで集計結果を確認でき、従業員の被害状況が簡単に把握できます。従業員からの返答結果を一つひとつ集計する手間を省けるため、事業継承への対策に時間を割けられるでしょう。
トヨクモの安否確認サービス2の特徴
安否確認サービス2の特徴は、主に以下のとおりです。
- 従業員の状況に応じた指示が出しやすい
- BCPを進めやすい
- 災害時でも安定した稼働を見込める
- SLA(サービス品質保証)による品質保証がある
それぞれの特徴を解説します。
従業員の状況に応じた指示が出しやすい
安否確認サービス2を活用すると、従業員の状況に応じた指示が出しやすくなります。先ほど解説したとおり、安否確認サービス2は収集した情報を一元管理できるため、従業員の被害状況を把握しやすいのが特徴です。そのため「身の安全を最優先にすべき従業員」や「緊急対応が可能な従業員」などを把握しやすくなり、状況に応じた指示が出せます。
また、災害時の被害状況や対策など共有できる掲示板機能を活用すると、従業員1人ひとりに指示を出す手間を省けます。掲示板は部署別で閲覧できるので、複数の用途に利用できます。安否確認サービス2内で対策が議論できれば、回線状況が悪い中でも事業を停滞させる心配を減らせます。画像やPDFなども共有できるため、より的確な指示を従業員に出せるでしょう。
BCPを進めやすい
安否確認サービス2は、BCPに必要な機能を搭載しています。たとえば、特定の従業員のみが閲覧・書き込みができる機能を活用すると、主要メンバーだけで会議を行うことができます。
さらに、その会議で決定した内容を一斉メールで送信できるため、社内全体で共有することも可能です。すると災害が起きた混乱状況の中でも事業継続に必要な対策を講じられるため、事業再開への道が開きやすくなるでしょう。
災害時でも安定した稼働が見込める
安否確認サービス2は、災害時でも安定した稼働が見込めるサービスです。災害時はどのようなトラブルが起こるのか想定するのは難しく、安定した稼働を何よりも重視しなければいけません。
安否確認サービス2では防災の日である9月1日に全国一斉訓練を行っており、システムが安定して稼働できるかどうかをチェックしています。一斉訓練は詳細な開始時刻を知らせずに行うため、実際の災害時と同じような状況下でサービスの安定性を確認できます。
さらに終了後は回答結果をまとめたレポートを送付しているため、企業の防災意識も高められるでしょう。
SLA(サービス品質保証)による品質保証がある
安否確認サービス2は、SLAによる品質保証があります。SLAとはサービス提供者が、サービスの品質について一定水準を保証することです。保証された基準を下回った場合は、返金などの処置を行います。安否確認サービス2では、SLAで設定した基準を下回ったことはないため、災害時でも安心して利用できるでしょう。
企業こそ安否確認システムを導入して従業員の被害状況を把握しよう
企業が災害時に従業員の安否確認を行っておくと、従業員の安全を確保したうえで事業を継続したり、従業員の雇用を守ったりできます。災害という非常事態の中で事業が停滞してしまうと、今後の道筋が見えにくくなり社内の体制を整えるのも難しくなるでしょう。そのため、災害が起きたときは、迅速に従業員の安否確認を行うのが重要です。
とはいえ、規模の大きい企業は従業員数も多いため、個別での連絡は困難です。そのような場合は安否確認システムを導入して、効率よく従業員の安否や被害状況を把握するのがおすすめです。すみやかに状況把握ができれば、すべき対策も明確になりやすいため、事業の停滞防止に役立ちます。