【調査報告】震災から15年。企業の防災・安否確認体制に関する実態調査2026
トヨクモ防災タイムズ編集部
東日本大震災の発生から、2026年3月11日で15年が経過しました。トヨクモ株式会社では、従業員100名以上の企業でBCP・防災・安否確認に携わる担当者111名を対象に、現在の体制に関する実態調査を実施しました。
調査の結果、震災当時の対応を知る社員の減少や、現在の働き方とBCPの乖離といった現状が明らかになっています。
調査結果の全文(PDF)は、以下のURLよりご確認いただけます。
https://st.trendemon.com/pCrkaP
【本記事のポイント】
- 震災経験者の減少: 62.4%の企業で、当時の対応を知る社員が半数未満に
- 教訓の形骸化: 担当者の58.9%が、知見が「一部形骸化している」と回答
- 働き方との乖離: 約半数の企業が、現在の働き方へのBCP対応を「不十分」と認識
- 実務の課題: 安否確認における「集計の手間」や「再連絡の煩雑さ」が上位に
目次
1. 震災経験者の減少:62.4%の企業で「半数未満」に
震災から15年が経過し、組織内での人材の入れ替わりが進んでいます。
調査では、震災当時の対応業務を経験した社員が現在どの程度残っているかを質問しました。

- 「5割以上残っている」: 31.8%
- 「半数未満(3割未満や1割未満等を含む合計)」: 62.4%
多くの企業において、当時の対応を知る社員が少数派となっている実態が確認されました。
2. 58.9%が「教訓の形骸化」を実感
当時の教訓や知見が現在のマニュアルや訓練にどう活かされているかについては、以下の結果となりました。

- 「具体的に活かされている」: 29.9%
- 「一部は活かされているが、形骸化している部分もある」: 58.9%
防災訓練の頻度は「年1回」が52.3%で最多となっていますが、半数以上の担当者が教訓の形骸化を感じている状況です 。
3. テレワーク等、現在の働き方への対応状況
2026年現在の働き方に合わせたBCP(事業継続計画)の更新状況についても課題が見られました。

- 「定期的に見直し、最新の状態に更新されている」: 28.8%
- 「一部更新しているが、十分ではない」: 49.5%
テレワークの普及など、出社を前提としない働き方が広がる中で、約半数の企業が現在のBCPを「不十分」と考えています。
4. 安否確認における実務上の具体的な課題
災害時の安否確認体制について、現在使用している手段と課題を調査しました。

【使用している手段(複数回答)】
- 社内メール: 52.3%
- 安否確認専用システム: 42.3%
- ビジネスチャット: 41.4%
【運用上の課題(複数回答)】
- 「回答の集計に時間と手間がかかる」: 39.3%
- 「未回答者への再連絡が煩雑である」: 38.3%
連絡手段として「社内メール」が最も多く活用されている一方で、集計や督促といった事務作業が担当者の負担となっている傾向がうかがえます。

5. まとめ
今回の調査により、震災から15年を経て、多くの企業で「経験者の減少」と「現行BCPの形骸化」という課題に直面していることが分かりました。
特に安否確認においては、現在の人員体制で初動対応を「問題なく完遂できる」と回答した方は23.4%に留まっています。災害がいつ発生するか予測できない以上、特定の個人の経験や手動の集計作業に依存しない、組織的な体制づくりが求められています。
調査結果の全文(PDF)は、以下のURLよりご確認いただけます。
https://st.trendemon.com/pCrkaP
編集者:遠藤 香大(えんどう こうだい)
トヨクモ防災タイムズ 編集長 RMCA BCPアドバイザー トヨクモ株式会社で災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案や情報発信に携わる。トヨクモ防災タイムズではBCPや災害対策に関する記事の企画・執筆・編集を担当。専門家との連携や現場視点を取り入れながら、読者に寄り添う防災情報の発信を目指している。