災害での3・3・3の法則とは?企業防災での基本とケース別に解説

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遠藤 香大(えんどう こうだい)

災害では「3・3・3の法則」が大切と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。3・3・3の法則は、企業防災にも活かせる考え方です。

この記事では、3・3・3の法則の意味や、対応方法を紹介します。参考にしてください。

3・3・3の法則とは

3を使った法則とは、サバイバルや災害、登山などで危機に陥った際に、生き延びるうえでの判断基準となる考え方です。人間が危険に直面した際、3という時間の単位は生死を決める指針になります。

具体的には、次のように考えられています。

  • 3分間呼吸ができないと死亡する
  • 3時間体温が維持できないと
  • 3日間水がないと死亡する
  • 3週間食べるものがないと死亡する

生き残るために、3・3・3の法則を心に留めておきましょう。例えば、被災した際は最初に呼吸ができるように努めます。そのあとは、体温維持を意識します。

避難をしたら水を用意し、次に食料を確保することで生存率を高められるでしょう。

【基本】3・3・3の法則を応用した企業防災のケーススタディ

ここからは、3・3・3の法則を活用した企業防災の事例を紹介します。従業員の命を守る備えをしたいときに参考にしてください。

あらゆる状況を想定し空気を取り込める状態を確保する

3分間呼吸ができないと生存が難しくなります。企業は、どのような状況であっても従業員が呼吸できるように努めます。

酸素が不足する状況は以下のとおりです。

  • 火災:一酸化炭素中毒に陥る
  • 地震:生き埋めになる
  • 水害:肺に水が入る

企業の対策として、上記の事態を想定した安全確保マニュアルの作成があげられます。マニュアルを作成したあとは、定期的に避難訓練をして、内容の改善に努めましょう。

そのほか、呼吸のための防煙マスクや呼吸器など、物理的に呼吸を守る備品の確保も重要です。

3時間以上、長時間体温を保てるアイテムを用意する

体温が維持できるような備品を用意しましょう。3時間以上体温を保つと生存率が高まります。

企業には、従業員人数分の毛布や防寒シートの確保が求められます。とくに被災後に屋外や車内で寝泊りをすると、体温確保が難しく、保温アイテムが生死を左右します。

冬に被災した際は、断熱性の高いブランケットが重宝されるでしょう。夏場は熱中症のリスクを抑えるために、ネッククーラーや携帯型扇風機などが便利です。

最低3日分の水を確保する

企業やオフィスでの避難を想定するときは、水を備蓄します。水の確保は生命維持の基本であり、3日以上水がないと、命を落とす危険が高まります。

3日間生き延びられるよう、従業員の人数に応じて必要な量を用意しましょう。

水は、以下のような状態で備蓄できます。

  • ペットボトルの水
  • ゼリー状の水
  • 浄水システムや小型の浄水器
  • 水を保管するタンク

備蓄は、備蓄場所の被災や取りに行く道の被害を想定して、複数箇所に分散して保管してください。

最低3週間分の食糧を備える

3・3・3の法則に沿って、最低3週間分の食糧を準備します。食糧の備蓄は、生命や気力の維持に不可欠です。

大規模な災害時は、物資の供給が途絶える可能性があります。外部からの援助が届くまで時間がかかると想定して、企業の食糧備蓄でカバーしましょう。

食糧は、長期保存可能で栄養バランスを考慮したフリーズドライ食品や缶詰が望ましいとされます。従業員のアレルギーや宗教上の制約に配慮した非常食も備えましょう。

また、非常食は賞味期限の管理を徹底して、定期的に在庫を見直すことが大切です。

【ケース別】3・3・3の法則を応用した災害時の対応ポイント

ここからは、3・3・3の法則を応用した災害への対策を紹介します。いざというときに備えて、覚えておきましょう。

災害発生直後における3・3・3の法則

災害発生後に3・3・3の法則を意識した行動をすると、適切な初動対応につながり、生存率を大幅に高められるでしょう。

具体的な行動の例を以下に示します。

  • 最初の3分間:呼吸を確保する、地震の場合は3秒で安全な場所に避難して3分間揺れのおさまりを待つ
  • 30分間:自分や周りの家族や従業員の安全を確保し、救助や救出の手伝いをする
  • 3時間:高齢者や障害がある人の救出を完了する、避難場所へ移動し体温確保に努める
  • 3日間:非常食や水の確保をする、全員の安否確認をする

災害直後に生死を左右するものは時間です。周囲の人々と協力体制を構築して、初期の混乱を乗り越えましょう。

救助救命における3・3・3の法則

時間が生死を左右する救助救命では、3・3・3の法則は行動の指針となります。

被災後は、30分以内に周辺の要救助者を確認して、救出できる人は救出をしましょう。そのあと3時間で、要救助者を含めてすべての人の救助が完了した状態を目指します。

ただし、余震や津波などの二次災害の危険があるときは、自分の避難を最優先させてください。

避難所における3・3・3の法則

避難所に移動したあとも、3・3・3の法則を応用できます。避難所では被災者がいますぐ必要としているサポートと中長期的な生活支援の両方の対策が求められます。時間の経過とともに対応を柔軟に変化させることで、効果的なサポートが可能になるのです。

  • 最初の3時間:避難所の環境を整え、食料や水、体温を保持できる毛布などを用意し、緊急医療が必要な人には初期処置を実施
  • 最初の3日間:情報の提供、心理的サポート、生活資源の配布

とくに避難所での生活を3日間安定させることで、被災者の心身のサポートができます。迅速に対応できるように、3・3・3の法則に基づいたガイドラインを定めておくとよいでしょう。

心のケアにおける3・3・3の法則

3・3・3の法則は、メンタルケアにも役立ちます。

災害直後のストレスは深刻で、被災者は恐怖、混乱など強い感情を経験します。時間で、気持ちを切り替えられる取り組みが有効です。

例としては、以下があげられます。

  • 3秒間、よい香りを嗅ぐ
  • 3分間、ぬいぐるみや肌触りのよいクッションなどに触れる
  • 30分間、本や映像を見る

避難所に子どもがいるときは、母親の匂いがついた洋服やぬいぐるみなどが活用できます。大人の場合、アロマオイルの香りや肌触りのよいタオルなどがあると落ち着くでしょう。

企業としてあらゆる災害を想定した対策をしよう!

3・3・3の法則は、災害時に非常に有効な法則です。この法則を活かして、災害時にスムーズに対応できるような初動体制を整えましょう。

企業の初動対応では、従業員の安否確認が大切です。連絡手段は、安否確認システムがおすすめです。

安否確認システムの多くは気象庁の災害情報と連動しており、自動で通知が送信されます。また、回答結果も自動で集計できるため、通信の送信や集計の手間を削減できる点で災害時の利用に向いています。

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