【企業向け】防災グッズでいらなかったもの7選!必要なものや他の災害対策も紹介

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トヨクモ防災タイムズ編集部

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自然災害や感染症が発生した際、従業員の安全を確保できるよう、日頃から防災グッズを用意しておくことが重要です。ただし、いらないものばかり購入していても、緊急時に役立ちません。

従業員の命を守るには、どのような防災グッズを用意しておくべきでしょうか。

この記事では、必要な防災グッズやいらないものなどに関して紹介します。防災グッズの拡充や災害対策の強化に取り組んでいる方は、最後までご覧ください。

防災グッズでいらなかったもの7選【企業向け】

備蓄の優先順位が低い防災グッズは以下の7点です。

  • コンパス
  • ロープ
  • 非常用浄水器
  • カップ麺
  • 手回しラジオ
  • テント
  • ろうそく

各グッズが不要な理由に関して解説します。

コンパス

コンパスは方角を知りたい時に利用します。ただし、進路の方角がわかっても、避難経路や避難場所が示されるわけではありません。

また、自宅周辺や地元で被災した場合、周囲の道を把握している可能性が高いため、コンパスを利用する必要性はほとんどないといえます。

ロープ

ロープは地震や津波が発生した際、人命救助や高所からの避難、がれきの撤去など、災害時に活用できる場面が多い防災グッズです。ただし、緊急時に使いこなすには、ロープの扱いに慣れていなければなりません。

ロープの結び方や扱い方に慣れていない場合、二次災害を引き起こす可能性があります。

ビルメンテナンスや建築工事など、普段から仕事でロープを使っている方でない限り、緊急時に使いこなすのは難しいでしょう。

非常用浄水器

非常用浄水器とは、河川や湧き水などの水から不純物を取り除き、飲料水として飲める状態にする機器です。山間部や市街地から数10km以上離れた地域など、水の安定確保が難しい地域によっては、非常用浄水器が必要になります。

ただし、非常用浄水器よりも、飲料水や生活用水の確保を優先すべきです。防災用にペットボトルの水を十分確保しておけば、非常用浄水器を利用せずに済みます。

カップ麺

カップ麺は非常食として役立つため、必ずしも不要なわけではありません。ただし、調理に水を使用する点が大きなデメリットです。自然災害の影響でガスや水道などが利用できない場合、カップ麺を作れません。

また、拠点を置く地域や被災状況によっては、水の安定確保が難しい可能性があります。水なしで食べられるものを優先して確保し、カップ麺は用意したとしても少量に留めましょう。

手回しラジオ

ラジオは災害情報やライフラインの復旧情報など、被災後の情報収集に欠かせない防災グッズです。ただし、手回しラジオは蓄電のために、一定時間ハンドルを回し続けなければなりません。

情報取集に労力や手間がかかるため、ラジオを用意する場合は電池式タイプを用意しましょう。電池式ラジオであれば、乾電池を入れるだけで手軽に情報収集が可能です。

テント

災害時に避難所に入れない場合を想定し、屋外用の大型テントが必要ではないかと思う方もいるでしょう。しかし、近年は神社や寺を避難所として活用するケースも増えており、特定の避難所が満員でも、屋外で過ごす可能性は低いといえます。

また、学校や公民館など、指定避難所に入れれば屋内で過ごせるため、大型テントを活用するケースはほとんどありません。大型テントはかさばるため持ち運びがしにくく、避難時に災害が発生した際は周囲の邪魔になるおそれがあります。

防災用にテントを用意する場合は、小型用テントがおすすめです。避難所のスペースは限られており、パーソナルスペースを確保できないケースが少なくありません。

小型用テントの中で過ごせれば、周囲からの視線を遮断して時間を過ごせるため、避難生活でのストレスを軽減できます。

ろうそく

ろうそくは周囲に引火して火事を引き起こすおそれがあるため、用意するのは避けましょう。防災用の照明としてろうそくの使用を想定していた場合、懐中電灯やサイリウム、ランタンなどを代わりに用意するのがおすすめです。

いずれもろうそくと比べて火事のリスクが低いため、安心して利用できます。

防災グッズで必要なもの7選【企業向け】

災害発生に備えて用意すべき防災グッズは以下の7点です。

  • 飲料水と生活用水
  • 非常食
  • 衛生用品
  • 防寒具
  • 電池タイプのラジオやバッテリー
  • 救護用品
  • 安全対策品

必要な量や具体的に用意すべきものに関して紹介します。

飲料水と生活用水

飲料水は水分補給と調理用の水で、1人あたり1日3Lの水が必要といわれています。大規模災害に備えて、最低でも3日分の飲料水を確保しておきましょう。仮に事業所で働く従業員数が50人だった場合、3日分の飲料水は3×50×3=450Lになります。

一方、生活用水は手洗いやトイレ、洗濯などに使用する水です。飲料水と比べて使用頻度が多いため、1人あたり1日10〜20Lの水が必要です。生活用水も飲料水と同様、最低でも3日分は確保しておきましょう。

事業所で働く従業員数が50人の場合、3日分の生活用水は1,500L〜3,000L必要になります。大量の水を短期間で用意するのは手間がかかるため、日頃からこまめに備蓄しておきましょう。

非常食

災害規模によっては道路や物流が機能せず、食料品の確保が難しくなるケースが考えられます。非常食には調理不要で、長期保存に対応しているものを選ぶのがおすすめです。備蓄しておくべき主な非常食は以下のとおりです。

  • 防災備蓄用ゼリー
  • 固形の栄養補助食品
  • 缶詰
  • チョコレート
  • ドライフルーツ
  • クラッカーや乾パン

上記のうち、防災備蓄用ゼリーを多めに備蓄しておきましょう。エネルギーや食物繊維、ミネラルなど、栄養補給が手軽にできます。アレルギー特定原材料が含まれていないものも多く、アレルギーを持っている方も安心して食べられるでしょう。

ゼリーによっては3年や6年など、長期保存に対応しており、買い替えの頻度を減らせる点も魅力です。

また、上記以外ではレトルト食品やパックご飯が候補にあげられます。ただし、いずれも水を使用するため、用意する場合は最小限に抑えましょう。

衛生用品

ライフラインの被害状況によっては、数日間事業所内で生活を送る可能性があります。事業所内で快適に過ごすには、衛生環境を清潔に保つことが重要です。衛生用品が不足すると、衛生環境の悪化によって感染症の発生リスクが高まります。

事業所内の衛生環境を保つため、以下の衛生用品を事前に用意しておきましょう。

  • 簡易トイレ
  • トイレットペーパー
  • マスク
  • 歯ブラシ
  • 除菌シート
  • タオル
  • 生理用品

特に簡易トイレやトイレットペーパーは、多めに備蓄しておきましょう。トイレを我慢すると、熱中症や膀胱炎、エコノミークラス症候群など、健康被害のリスクが高まります。

トイレットペーパーは、約1ヵ月分の量を備蓄しておきましょう。トイレの回数は個人差がありますが、1人あたり1週間に1ロール使い切ると仮定します。

仮に事業所の従業員数が30人いた場合、1ロール×4週間×30人=120ロールが1ヵ月で最低限必要なトイレットペーパーの数です。

また、新型コロナウイルスやノロウイルス、食中毒など、感染症防止対策として以下のものも用意をしておきましょう。

  • アルコール消毒液
  • パーテーション
  • 使い捨てのゴム手袋
  • 非接触型の体温計
  • 空気清浄器
  • フェイスシールド

防寒具

防寒具は冬に災害が発生した場合、災害によって電気が使えない場合に備えて備蓄が必要です。以下のものを用意しておきましょう。

  • 毛布
  • 寝袋
  • 断熱シート
  • 使い捨てカイロ
  • 保温シート

毛布は最低でも1人1枚は必要です。また、使い捨てカイロや保温シートを多めに用意しておくと、手軽に身体を温められます。

電池タイプのラジオやバッテリー

災害後は避難所の設置状況やライフラインの復旧状況など、情報収集が必要です。情報収集は主にラジオとスマートフォンから行うため、電池タイプのラジオや乾電池、モバイルバッテリーを用意しておきましょう。

また、事業所内で電波が入りやすい箇所を事前に確認しておくことも必要です。

救護用品

事業所の位置や道路の被害状況、被害の大きさなどの理由から、すぐに救助を受けられない可能性があります。負傷者を手当するため、以下の救護用品を用意しておきましょう。

  • 消毒液
  • ガーゼ
  • 包帯
  • ばんそうこう
  • 救護担架

自社ビルを保有している場合、防災訓練でAEDの設置場所を確認しておくと、スムーズに応急処置が行えます。

安全対策品

地震や火災が起きた際、自身の身を守るための防災グッズが必要です。以下のものを用意しておきましょう。

  • ヘルメット
  • 軍手
  • 災害救助用工具セット
  • 消火器
  • バケツ
  • 懐中電灯
  • 投光器
  • トランシーバー

救助用工具や消火器、トランシーバーの使い方は、防災訓練で事前に確認しておくことが重要です。実践を想定した訓練で使い方を学んでおくと、災害が起きた際も落ち着いて対応できる確率が高まります。

また、防災訓練の際は、消火器やバケツを事業所内のどの場所で保管しているか、把握しておく必要もあります。

防災グッズの確保以外で必要な災害対策

防災グッズの確保と並行して、以下6つの災害対策も実施しましょう。

  • ハザードマップの確認
  • BCPの策定
  • 備品の転倒防止
  • 非常用電源の導入
  • 複数の連絡手段を確保
  • 定期的な防災訓練の実施

対策の内容を確認していきます。

ハザードマップの確認

ハザードマップを事前に確認し、事業所から避難所の距離や避難経路、警戒が必要な自然災害の種類などを把握しておきましょう。

ハザードマップとは、自社が拠点を置く地域の地形や気象傾向、過去の災害履歴を分析し、自然災害の発生リスクや危険な地域を示す地図です。

ハザードマップは地震や洪水、土砂災害など、災害ごとに作成されており、災害の種類ごとに想定されるリスクや被害が及ぶ地域を事前に把握できます。

また、ハザードマップには指定緊急避難場所や避難ルートも記載されています。ハザードマップを活用して避難訓練を実施しておくと、災害が起きた際も従業員が素早く避難所へ逃げられるでしょう。

マップによっては道路防災情報も記載されており、災害によって道路が寸断される場所も事前に把握できます。

BCPの策定

BCP(Business Continuity Plan)とは、自然災害や感染症の発生などが起きた際、最短での事業復旧を実現するための計画です。初動対応の流れや安全確保の徹底、連絡体制など、さまざまな内容を記載しておき、従業員の安全確保や被害の軽減に努めます。

必要な防災グッズや対応内容、連携先などが異なるため、自然災害と感染症用のBCPを別々に用意しておきましょう。事前に2つのBCPを用意しておけば、従業員の不安や迷いを軽減できます。

BCPは2024年から介護事業所に策定を義務付けたものの、一般企業はまだ義務化の対象外です。BCPの策定によって、「緊急時の備えが万全な企業」との印象を与えられ、取引先や顧客からの信頼も高まります。

備品の転倒防止

L字金具や突っ張り棒、粘着マットなどを活用し、オフィス備品の固定力を強化します。地震の振動によってOA機器やデスク、パーテーションなどが転倒した場合、重傷を負う可能性が高まります。

最悪の場合は転倒した備品に挟まれ、身動きが取れません。転倒防止グッズを活用して固定力を高めておき、オフィス備品の転倒リスクを軽減します。

また、落下物での負傷を避けるため、キャビネットやロッカーの上にはものを置かないようにしましょう。

非常用電源の導入

電気が利用できないと、事業継続や情報収集が難しくなるため、停電対策を講じておく必要があります。停電対策には非常用電源の導入がおすすめです。

非常用電源は電源を1度充電しておけば、利用できるタイプの電源です。コンセントは必要ありません。軽量で持ち運びもしやすく、さまざまな用途に利用できます。

複数の連絡手段を確保

自然災害が発生した際、従業員の安否を素早く確認できるよう、複数の連絡手段を確保しておかなければなりません。企業には従業員の安全配慮義務が法的に義務付けられており、自然災害の際も適用されます。

大規模災害が発生した際、従業員との連絡手段が電話とメールでは不十分です。多くの方が家族や両親、友人の無事を電話で確認するため、通常時と比べてトラフィック量が大幅に増加します。

トラフィック量とは、電話回線やネットワーク回線上でやりとりされるデータ量です。東日本大震災の際は、トラフィック量が通常の50〜60倍になりました。回線の容量以上にデータ量が増えると、輻輳(ふくそう)と呼ばれる現象が発生します。

輻輳とは通話や通信データのやり取りが、通常と同じようにできない状態のことです。輻輳が悪化すると、重要データのやり取りやネットワーク環境の維持が難しくなるため、通信規制が課せられます。

東日本大震災の際、ドコモ・au・ソフトバンクの音声通信は、最大95%の通信規制が設けられていました。

一方、メールもサーバースペックを超えるデータ量が発生したため、通信速度の低下や位置登録の取得失敗が頻繁に発生していました。

上記の理由からトランシーバーやIP無線機、安否確認システムなど、メールや電話以外の連絡手段を確保しておく必要があります。

緊急時の連絡手段には、安否確認システムの導入がおすすめです。専用アプリやLINEなど、複数の連絡手段に対応しているシステムが多く、従業員の安否を素早く確認できる確率が高まります。

また、強固な災害対策を講じているベンダーが多く、大規模災害の際も安定稼働が期待できます。

定期的な防災訓練の実施

BCPの内容が充実していても、従業員の防災意識が高まらない限り、記載内容にもとづいて行動するのは難しいです。BCPの内容を理解して行動に反映するには、定期的な防災訓練の実施が必要です。

防災訓練には避難誘導訓練や初期消火訓練、救助訓練など、さまざまな種類があります。複数の防災訓練を実施しておくと、緊急時も落ち着いて対応ができるでしょう。

また、防災訓練は消防法にもとづき、年1回以上の実施が義務付けられています。消防計画にもとづく防災訓練の実施記録がない場合、100万円以下の罰金または1年以上の懲役が科せられる可能性があります。

従業員の防災意識向上と法令遵守のため、最低でも年1回は防災訓練を実施しましょう。

防災グッズを揃えて災害対策を強化しよう

防災グッズを購入する際は、災害時での使用頻度が低いものを事前に把握しておくことが必要です。いらないものを揃えても緊急時には役に立たず、資金や保管スペースが無駄になります。

また、従業員の安全確保には、ハザードマップの確認や定期的な防災訓練の実施など、防災グッズ以外にも対策が必要です。仮に災害が起きても従業員の安否を素早く確認できるよう、安否確認システムを導入しておきましょう。

トヨクモの提供する『安否確認サービス2』は、導入実績4,000社以上を誇る安否確認システムです。専用アプリやメール、LINEでの連絡に対応しており、災害後に従業員の安否を素早く確認できる確率が高まります。

また、トヨクモではすべての契約企業を対象に、全国一斉訓練を毎年実施しています。

全国一斉訓練とは災害時と同様の負荷を『安否確認サービス2』にかけ、システムが安定して稼働するか、確認する訓練です。

訓練結果が、トヨクモの定めるサービス品質保証制度(SLA)の基準を下回ったことはありません。全国一斉訓練は日時と時間帯しか公開されないため、従業員の防災意識を高める場としても活用できます。

防災対策の強化に取り組んでいる方は、『安否確認サービス2』の導入をご検討ください。

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