物流業向け安否確認システムおすすめ5選|複数拠点・施設管理・多言語対応で選ぶ

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遠藤 香大(えんどう こうだい)

全国に分散した拠点や倉庫の情報を、災害時にどう集めるか。外国籍従業員にもきちんと連絡を届けられるか。物流業界の安否確認では、この2つが早い段階で課題になります。

この記事では、物流業界ならではの事情を踏まえながら、安否確認システムを選ぶときに見ておきたいポイントと、おすすめのサービスを整理します。

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目次

物流業界で安否確認システムが必要な理由

物流は、災害時でも止めにくい社会インフラの一つです。拠点や倉庫、輸送ルートが全国に分散しているぶん、どこか一か所が被災しただけでも、現場対応や配送体制に影響が広がりやすい業界でもあります。

だからこそ、従業員の安否を早く把握し、本部で情報を集約できる体制が欠かせません。安否確認システムは、物流業界のBCPにおいて、初動を支える仕組みとして早めに整えておきたいものです。

物流業界ならではの安否確認の課題3つ

複数拠点の安否情報を本部に集約するのに時間がかかる

物流業界では、営業所、倉庫、配送センターが全国に点在しています。災害が起きたとき、本部が最初に知りたいのは「どの拠点で、誰が、どの状態にあるのか」です。ところが、その情報を短時間で集めるのは簡単ではありません。

電話やメールで確認を始めると、連絡の窓口が拠点ごとに分かれ、情報もばらばらに集まってきます。安否確認そのものより、集まった情報を整理して本部で把握する作業に時間を取られ、初動が遅れてしまう。物流業界では起きやすい課題です。

全農サイロ株式会社でも、全国7拠点の情報を本部に集約するまでに必要以上の時間がかかり、初動が遅れやすいことが課題になっていました。拠点数が多い企業ほど、連絡手段を統一し、本部で状況を一覧で把握できる仕組みが欠かせません。

従業員の安否と施設・設備の被害確認を同時に行う必要がある

物流業界では、従業員の安否だけを確認して終わりにはなりません。倉庫やサイロ、配送センターなどの施設が使える状態にあるか、設備に被害が出ていないかも、同時に把握する必要があります。施設の状況がわからなければ、配送や保管を続けられるかどうかの判断ができないためです。

物流施設は沿岸部や幹線道路沿いなど、災害の影響を受けやすい場所に立地していることもあります。従業員の安否は別のツール、施設被害は電話やチャットで別管理、といった状態では、情報が分かれ、判断も遅れます。

全農サイロ株式会社では、能登半島地震の際、発災から2時間以内に全対象者の安否確認を完了し、あわせて施設被害の情報もメッセージ機能で本部に集約できたとされています。物流業界では、人の無事と施設の稼働可否を切り離さずに把握できるかが、その後の対応を大きく左右します。

外国籍従業員が多く、日本語だけでは連絡が届かない

物流・運送業界では、外国籍従業員が現場を支えるケースが増えています。そのため、日本語だけを前提にした安否確認では、緊急時に連絡は届いても内容が十分に伝わらない、あるいは回答までたどり着けないおそれがあります。

問題は、災害時の通知文だけではありません。登録案内や初期設定の段階で言語の壁があると、使われないまま本番を迎えてしまうことがあります。平時から無理なく使える状態になっているかどうかも、物流業界では見落とせない点です。

インテックス株式会社では、外国籍従業員が多い状況を踏まえ、システム登録案内を5カ国語に翻訳して展開していました。物流業界では、多言語対応があるかどうかだけでなく、外国籍従業員にきちんと使ってもらえる運用まで含めて考える必要があります。

物流業界が安否確認システムを選ぶ際の5つのポイント

複数拠点を一元管理できるか

物流業界では、拠点ごとに状況を把握できるだけでは足りません。「本部が全体を一覧で見渡せること」に加え、「各拠点の担当者が自拠点の状況を管理できる」ことの両立が求められます。

部署を多階層で設定できるか、拠点ごとに担当管理者を置けるかは早い段階で見ておきたい点です。あわせて、本部側で全拠点の回答状況をリアルタイムに一覧できるかどうかも重要です。拠点数が多い企業ほど、この見え方の差が初動対応の速さにそのまま表れます。

施設の被害状況も同じシステム内で報告・集約できるか

物流業界では、人の安否確認だけで判断が終わるわけではありません。倉庫や配送センターが使える状態か、設備に損傷がないかまで把握できて、はじめて次の動きが決まります。

安否確認とは別に施設情報を電話やメールで集める運用だと、情報が分かれてしまいます。メッセージ機能や写真添付機能があるか、設問フォームをカスタマイズして「施設の稼働可否」「設備の被害有無」まで聞けるか。このあたりは、物流業界では重要な比較軸です。

多言語対応があるか

外国籍従業員がいる物流現場では、日本語だけを前提にした安否確認は運用に乗りにくくなります。通知が届いても内容が十分に伝わらない、登録の時点でつまずく、といったことが起きるためです。

見ておきたいのは、英語表示への切り替えに対応しているかどうかです。加えて、外国籍従業員が多い企業での導入実績があるかも確認しておきたいところです。

自動配信・自動集計で管理者の負担を減らせるか

災害は、担当者がすぐ対応できる時間に起きるとは限りません。夜間や休日でも、気象庁の情報と連動して自動で配信できる仕組みがあるかどうかは、見落とせないポイントです。

あわせて、未回答者への自動再送信や、回答状況のリアルタイム集計にも対応していると、管理者の負担はかなり変わります。物流業界のように拠点数が多い業種では、手動で追いかける運用そのものが重くなりやすいため、自動化できる範囲は広いほうが運用しやすくなります。

いざというときに確実に動くか(安定稼働)

安否確認システムは、普段よりも災害発生時にこそ性能が問われます。アクセスが集中するタイミングでも安定して使えるかどうかは、機能の多さと並んで重視したい点です。

その判断材料として、AWSなどのクラウド基盤を採用しているか、データセンターが分散されているか、オートスケールに対応しているかを見ておきたいところです。加えて、大規模アクセス時の稼働実績があるかどうかも確認しておきたい点です。災害時に使えなければ、安否確認システムとして意味を成しません。

物流業向け安否確認システムおすすめ3選

安否確認サービス2(トヨクモ)

安否確認サービス2は、導入社数4,000社以上の実績がある安否確認システムです。物流業界で重視したい「複数拠点の一元管理」「施設被害の同時把握」「自動配信・自動集計」といった要件に対応しやすく、物流分野での導入事例もあります。

多階層の部署設定や管理権限の分け方に対応しているため、拠点ごとの管理と本部での全体把握を両立しやすくなっています。メッセージ機能や写真添付も使えるため、安否確認だけでなく、倉庫や設備の状況もあわせて集めたい物流業界と相性がいいサービスです。設問をカスタマイズして、施設の稼働可否や被害の有無を確認しやすい点も、実際の運用を考えるうえで使いやすいところです。

気象庁情報と連動した自動配信、未回答者への再送、リアルタイム集計にも対応しています。インフラ面では、世界各地に分散したデータセンターを採用しており、大規模災害時の利用も想定されています。初期費用がかからないため、まず試してみたい企業でも導入しやすいでしょう。物流分野では、ケイラインロジスティックス、全農サイロ、インテックスといった事例がある点も参考になります。

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Biz安否確認/一斉通報(NTTコミュニケーションズ)

Biz安否確認/一斉通報は、大規模運用を前提に検討しやすいサービスです。公式情報では、通常プランで10万名規模まで対応可能とされており、グループ会社や複数拠点を抱える物流企業でも候補に入れやすくなっています。

組織階層に応じた管理や、一斉通報機能を使った情報配信に対応しているため、拠点ごとに管理しながら全体を統制したいケースに向いています。訓練を複数回行っても追加課金が発生しない定額プランがある点も、継続運用を考える企業にとっては検討しやすいポイントです。

ライトプランは、初期費用0円、月額10,000円で1,000IDまで利用できます。安否確認機能の範囲はプランによって異なるため、必要な機能と照らし合わせて選ぶ必要はありますが、大規模な物流グループや、まずは定額で始めたい企業にとっては候補に入れやすいサービスです。

公式サイト:https://www.ntt.com/business/services/application/risk_management/anpi.html

ANPIC(株式会社アバンセシステム)

ANPICは、費用を抑えて導入しやすい安否確認システムです。公式サイトでは月額5,130円から利用でき、LINE通知も追加料金なしで使えます。中小規模の物流企業や、まずは小さく始めたい企業にとって検討しやすい価格帯です。

静岡大学・静岡県立大学との産学連携で生まれたサービスで、災害時の運用を前提に設計されています。サーバー基盤にはAWSを採用しており、導入時にはユーザー代理登録や説明会が初回無料で提供されています。社内に専任のIT担当者がいない企業でも、導入初期の負担を抑えやすいサービスです。

ガラケー対応や代理報告機能もあり、現場の従業員全体で使う前提でも運用しやすくなっています。LINE通知を追加料金なしで使える点も、通知に気づいてもらいやすさという意味で使いやすく、物流現場にもなじみやすいでしょう。

公式サイト:https://www.anpic.jp/

物流業界の導入事例

事例①:ケイラインロジスティックス株式会社(国際総合物流・301〜1,000名)

ケイラインロジスティックス株式会社では、以前から緊急時の連絡手段に課題を感じていました。実際に災害用伝言ダイヤルがうまく機能しなかった経験があり、「いざというときに本当に使える連絡手段が必要だ」と考え、見直しに着手したといいます。

そこで導入したのが、安否確認サービス2です。安否確認の仕組みとしてだけでなく、物品集計にも活用しており、緊急時に必要な情報をまとめて把握しやすくなりました。

被災時にも確実な連絡手段を確保できるようになったことで、初動対応のスピードも高まっています。物流業界では、安否確認そのものに加え、その後の対応をどう立ち上げるかまで見据えて仕組みを整える必要があります。この事例は、その点を考えるうえでも参考になります。

(参考:安否確認サービス2「迅速な事業継続・復旧のために初動対応を強化緊急時の確実な連絡手段を確立」

事例②:全農サイロ株式会社(穀物物流・51〜300名)

全農サイロ株式会社では、全国7拠点の情報を本部に集約するまでに時間がかかり、初動対応が遅れやすいことが課題になっていました。拠点数が多い物流業界では、誰に連絡するかだけでなく、集まった情報を本部でどう整理するかもポイントになります。

そこで、安否確認サービス2に連絡手段を統一し、あわせて拠点ごとの独自訓練も継続して実施してきました。平時から使い方に慣れておくことで、災害時にも迷わず運用できる状態をつくっていた形です。

その結果、能登半島地震の際には、発災から2時間以内に全対象者の安否確認を完了しました。さらに、施設被害の情報もメッセージ機能を通じて本部に一元集約できたとされています。複数拠点の情報集約と施設被害の同時把握が求められる物流業界にとって、示唆の多い事例です。

(参考:安否確認サービス2「情報収集・共有がこのシステム1つで完結。従業員の安否・施設の被害状況をスムーズに把握できる」

よくある質問(FAQ)

全国に拠点が分散していても一括管理できますか?

できます。多階層の部署設定に対応した安否確認システムであれば、営業所、倉庫、配送センターごとに管理しながら、本部で全体の回答状況を一覧で確認できます。拠点ごとに担当管理者を設定できるサービスであれば、現場での確認と本部での集約を両立しやすくなります。

倉庫や施設の被害状況も安否確認と同じシステムで報告できますか?

できます。システムによっては、メッセージ機能や写真添付機能を使って、倉庫や設備の被害状況を同じ画面内で報告できます。設問フォームをカスタマイズできるタイプであれば、「施設が稼働できるか」「設備に被害があるか」といった項目もあわせて確認できます。安否と施設情報を別々に集めるより、本部で状況を整理しやすくなります。

外国籍従業員が多くても対応できますか?

対応できます。ただし、単に通知を送れるだけでは十分ではありません。回答画面を英語で表示できるか、登録案内を多言語で用意できるかまで見ておきたいところです。外国籍従業員が多い物流現場では、導入時の案内や日頃の訓練まで含めて運用を考えることが大切です。

夜間・休日に災害が発生した場合も自動で送信されますか?

対応しているシステムであれば、自動で送信できます。気象庁の情報と連動し、あらかじめ設定した地域や震度に応じて自動配信される仕組みがあれば、夜間や休日でも管理者が手動で対応する必要はありません。未回答者への自動再送や、回答状況の自動集計まで備わっていれば、初動時の負担も抑えやすくなります。

訓練はどのように実施すればよいですか?

年に1〜2回を目安に、定期的に実施するのが一般的です。全社一斉で行うだけでなく、拠点ごとに個別訓練を取り入れると、実際の運用に近い形で確認できます。予約送信機能があれば、配信を事前に設定しておけるため、担当者の負担も抑えられます。継続して訓練し、使える状態を保っておくことが大切です。

取引先や委託先の運送会社にも安否確認を送ることはできますか?

取引先や委託先の運送会社を含めて運用することも可能です。実際に、自社の従業員だけでなく、関係会社を含めた連絡体制を整えている事例もあります。物流業界では、自社だけ無事でも配送網全体が動かなければ業務は回りません。誰を対象に、どこまで確認するかは、BCPの設計とあわせてあらかじめ整理しておくことが大切です。

まとめ 

物流業界の安否確認では、誰の安否を確認するかだけでなく、全国に分散した拠点の情報をどう集約するか、施設や設備の被害をどうあわせて把握するかまで考える必要があります。加えて、外国籍従業員がいる現場では、多言語で無理なく運用できるかも見逃せません。

安否確認システムを選ぶ際は、「複数拠点の情報を一元管理できるか」「施設被害も同じ仕組みで集められるか」「多言語対応があるか」の3点を軸に見ていくと、自社に合う選択肢を絞りやすくなります。

安否確認サービス2は、複数拠点の管理、施設被害の報告、多言語対応を含めて、物流業界で求められやすい要件を押さえやすいサービスです。まずは無料お試しで、自社の運用に乗るかどうかを確認してみてください。

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編集者:遠藤 香大(えんどう こうだい)


トヨクモ防災タイムズ 編集長 RMCA BCPアドバイザー トヨクモ株式会社で災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案や情報発信に携わる。トヨクモ防災タイムズではBCPや災害対策に関する記事の企画・執筆・編集を担当。専門家との連携や現場視点を取り入れながら、読者に寄り添う防災情報の発信を目指している。

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