BCP関連の補助金・助成金ガイド!国・都道府県・市町村別に全解説
遠藤 香大(えんどう こうだい)
BCP策定や体制整備に活用できる補助金・助成金は、企業のBCP推進を後押ししてくれる原動力となる制度です。しかしながら「どの制度が使えるか分からない」「どうやって探して手続きを進めるか分からない」という企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、BCPに活用できる補助金・助成金制度は、国レベル・都道府県レベル・市区町村レベルでそれぞれ、多種多様なものが用意されています。

「BCPそのもの」に使える補助金だけでなく、たとえば「リモートワーク推進に使える補助金」「耐震・水害対策に使える助成金」「BCP研修に使える制度」などもあり、こうした「BCPに特化していない補助金・助成金」も上手く活用することが、企業の事業継続力を高める上で非常に有効な戦略です
この記事では、国・都道府県・市区町村の3つのレベルごとに、BCP関連の補助金の特徴や具体例、調べ方、相談先などを詳しく解説していきます。その後、失敗しないための注意点や申請から支払いまでの全体像についても説明します。
BCPの策定・体制の構築にはコストがかかるため、活用できる制度はできるだけ使って負担を軽減したうえで進めていきましょう。ぜひ最後までお読みください。
こんな不安やお悩みはありませんか

目次
【全国】BCPに活用できる補助金・助成金
まずは、日本全国どこに住んでいても使える国レベルの補助金の概要や具体例、調べ方などについて解説していきます。
国のBCP関連の補助金・助成金の基礎知識
国の支援制度には「BCP(事業継続計画)」と直接的に名付けられた補助金はほとんどありません。しかし、防災設備の導入やITインフラの整備、建物の耐震化などを対象とした国の補助金を上手に組み合わせることで、実質的に自社のBCP対策費用を大幅に軽減できます。
国の制度は予算規模が大きく、全国すべての事業者が対象となる点が大きな魅力です。直接的な「計画策定費用」ではなく、「BCPを実効性あるものにするための設備やシステム」に対して補助が出るため、自社の対策内容に合致する制度を選ぶことが大切になります。
国のBCP関連補助金・助成金の具体例
国レベルで活用できる代表的なBCP補助金の例としては、以下のようなものがあります。
【国レベルのBCPに活用できる補助金・助成金の例】
| 制度名称 | 補助内容 | BCP対策でどう活用できるか(例) |
|---|---|---|
| 中小企業庁 「事業継続力強化計画」 | 直接補助金が得られる訳ではないが、各種補助金の審査での加点(採択率アップ)や税制措置、金融支援を受けられる | 自治体のBCP補助金の申請要件になっているため、まず最初に申請するのがおすすめ |
| 中小企業庁 「デジタル化・AI導入補助金」 (旧:IT導入補助金) | 補助額:最大450万円(複数者連携などでは最大3,000万円) 補助率:原則1/2以内(※要件により一部2/3など) | BCP対策の一環として、以下の対策を行った場合などに使えるケースがある ・クラウド化によるデータ保全 ・リモートワーク(テレワーク)環境の整備 ・安全確認システムの導入 ・サイバー攻撃に備えるセキュリティ強化 |
| 中小企業庁 「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」 (ものづくり補助金) | 補助額:最大750万〜3,000万円(枠による) 補助率:2分の1~3分の2 | BCP対策の一環として、以下の対策を行った場合などに使えるケースがある ・製造ラインのバックアップ拠点化 ・遠隔・自動製造ラインへの刷新 ・基幹システムのクラウド移行 ・非常時でも稼働する店舗サービスの開発など |
| 中小企業庁 「小規模事業者持続化補助金」 | 補助額:最大50万〜200万円(一般形) 補助率:3分の2(条件を満たす赤字事業者は4分の3) | BCP対策の一環として、以下の対策を行った場合などに使えるケースがある ・災害時の代替配送・移動販売に向けた取り組み ・顧客向け災害時情報発信ツールの導入 ・クラウド上でのデータバックアップ体制の構築 ・被災時を想定したECサイト(ネットショップ)の開設 |
※2026年9月時点の情報です。
※上記内容はあくまで一例であり、BCP対策費用がかならず補助対象になることを保証するものではありません。具体的な対象要件や上限額については、最新の公募要領や専門窓口にてご確認ください。
国のBCP関連の補助金・助成金を調べる方法
BCP対策を進めるうえで国レベルでの補助金を効率よく見つけるには、「BCPで自社が取り組みたい具体的な対策内容」から逆引きして検索する方法が最適です。
国レベルで用意されている補助金制度には「BCP」という名称が直接使われていないケースが多いため、「BCP補助金」と調べても見つからないケースがほとんどです。
そのため、まずは自社のBCPにおいて「何に投資したいのか(システムのクラウド化、安否確認ツールの導入、設備の防災化など)」を整理してから検索するか、相談窓口に相談してみるのがおすすめです。
| 国のBCP関連の補助金・助成金を調べる方法 1.BCPで取り組む対策に合わせて、キーワードを絞り込む たとえば、「IT導入」「クラウド化」「セキュリティ強化」「安否確認」「設備投資」「生産性向上」「事業継続」「ものづくり」「小規模事業者」「業務効率化」「販路開拓」など 2.インターネット検索で「キーワード+補助金」で検索する たとえば、「IT導入 補助金」と入力して検索する 3.ミラサポplus(経済産業省)やJ-Net21(中小企業基盤整備機構)などで該当する補助金がないか確認する ・ミラサポplusの補助金検索 ・J-Net21(中小企業基盤整備機構)の支援情報 4.国が設置している無料の経営相談窓口や地域の商工会議所・商工会に相談する ・国の無料経営相談所「よろず支援拠点」 ・商工会議所検索・商工会検索 |
検索・相談して活用したい補助金をピックアップしたら、公募要領を確認するか専用窓口に直接問い合わせて、自社のBCP対策内容に活用できるかなど細かい条件を確認してみましょう。
【都道府県ごと】BCPに活用できる補助金・助成金
続いては、都道府県ごとに用意されているBCPに活用できる補助金・助成金について、基礎知識や具体例、具体的な制度の調べ方まで解説していきます。
都道府県ごとのBCP補助金・助成金の基礎知識
都道府県レベルで見ると、国の補助金制度に比べて「BCPそのもの」を直接の目的に掲げた制度もあり、非常に使いやすいのが大きな特徴です。
国の補助金は全国一律の基準で審査されますが、都道府県の制度は地域の特性や災害リスク(南海トラフ巨大地震、首都直下地震、豪雪・氾濫災害など)に応じて設計されています。そのため、自社が拠点を置く地域の防災・減災ニーズに直結した設備や施策に対して、手厚い支援を受けられる傾向にあります。
| 都道府県ごとのBCP補助金・助成金の基礎知識「BCP」に特化した制度が多い 「BCP実践促進助成金(東京都)」など、計画の策定やそれに基づく防災設備の導入・資機材の購入を直接の対象とした制度がある都道府県もあります。 専門家の派遣やコンサルティング費用も対象になる 自社だけでBCPを策定するのが難しい中小企業向けに、行政が専門家(中小企業診断士や防災士など)を無料派遣したり、作成にかかるコンサルティング費用を補助したりする仕組みがあります。 国の認定制度(事業継続力強化計画など)と連動している あらかじめ国の「事業継続力強化計画」や県の指定するBCP策定基準を満たしていることが、申請の前提要件や加点条件になっているケースが一般的です。 |
ただし、「東京都は補助が手厚い」「地方では補助金制度がない(金額が少ない)場合もある」など、地域によって差がある点には注意しましょう。
都道府県のBCP関連補助金・助成金の具体例
都道府県レベルでの「BCP対策に使える補助金」には、「BCP策定そのものが対象となる補助金」と、制度上BCPに特化している訳ではないものの「間接的に使える補助金」の2種類があります。
【都道府県ごとの「BCPに活用できる補助金・助成金」の例】
| 自治体・制度名 | 補助内容 | BCP対策でどう活用できるか(例) |
|---|---|---|
| 東京都 「BCP実践促進助成金」 (東京都中小企業振興公社) | 助成限度額 単独型:500万円 連携型:1,000万円 助成率 中小企業者:2分の1 小規模企業者:3分の2以内(単独型) | 中小企業が策定したBCPを実践するために必要な費用の一部を助成してもらえる制度です。 ・自家発電装置やソーラーパネルの設置 ・従業員の安否確認システムの導入 ・非常用のデータバックアップ専用サーバーの設置 ・緊急用の非常食や防災用品の購入など ※公社の支援事業・中小企業庁「事業継続力強化計画」の認定が申請要件となります。 |
| 鳥取県 「中小企業リスク対策強化補助金」 | 一般対策型 補助上限額:50万円 補助率:2分の1以内 地域連携型 補助上限額:100万円 補助率:3分の2以内 | 一般対策型の場合、BCPの実効性向上や災害対策の強化を行っていく上で必要となる防災措置を講じる事業が補助対象となります。 ・自家発電装置、蓄電池などの購入 ・設置費用・安否確認システムの導入費用 ・データをバックアップするシステムの導入費用 ・飛散防止フィルム、止水板などの購入・設置費用 ・備蓄品の導入費用など |
| 宮城県 「中小企業等BCP・事業継続力強化計画実践支援補助金」 | 備蓄品・少額設備枠 補助額:25万円~50万円(対象経費50万円以上) 補助率:2分の1以内 | BCP・事業継続力強化計画の実践に必要な備蓄品の導入費を補助する制度です。 ・非常食(米・食料など) ・簡易トイレ ・毛布 ・簡易浄水器 ・発電機 ・ヘルメット ・土のうなど ※中小企業庁「事業継続力強化計画」の認定などが申請要件となります。 |
| 各自治体 「建築物耐震対策緊急促進事業」 | 補助額:耐震診断・補強改修費の一部 補助率:自治体ごとに設定(国からの補助併用) | 「建築物耐震対策緊急促進事業」の窓口は、自治体の補助制度の有無によって都道府県・市区町村または国のどちらかになります。 以下などの要件を満たす場合に、耐震診断や補強・改修などの費用が助成されます。 ・昭和56年5月31日以前に着工されたもの ・要緊急安全確認大規模建築物に該当するもの |
※2026年9月時点の情報です。
※上記内容はあくまで一例であり、BCP対策費用がかならず補助対象になることを保証するものではありません。具体的な対象要件や上限額については、最新の公募要領や専門窓口にてご確認ください。
都道府県のBCP関連の補助金・助成金を調べる方法
都道府県レベルで「BCPに活用できる補助金・助成金」を見つけるには、まず「都道府県名+BCP」で直接検索し、見つからない場合は「目的別のキーワード」で一般的な都道府県補助金を調べるという、2段階のアプローチが有効です。
BCPに特化した補助金・助成金を実施している都道府県もあれば、専門制度がない地域もあるためです。また、受付期間が終わっているケースも考えられます。
| 都道府県のBCP関連の補助金・助成金を調べる方法 ステップ1:「都道府県名+BCP補助金」でまず検索する まずは、自社の所在地を管轄する都道府県で、BCPに特化した補助金・助成金制度が用意されているかを確認します。→検索例「東京都 BCP 助成金」「鳥取県 BCP 補助金」 ステップ2:実施する内容別に「都道府県名+対策内容+補助金」で検索する BCPの名前がついた制度がない場合(または募集が終わっていた場合)は、自社がBCP対策として実施したい具体的な取り組み内容に対する補助金・助成金がないかを調べます。 →検索例「熊本県 デジタル化 助成金」「大阪府 耐震 補助金」「北海道 備蓄 補助金」 ステップ3:都道府県ごとの公的な補助金検索サイトも調べてみる 東京都なら「Tokyo支援ナビ」、北海道なら「公式サイト>助成制度」など、制度を検索できるサイト・ページが用意されているはずなので、使える補助金・助成金がないか調べてみましょう。 ステップ4:公的な相談窓口に相談する 都道府県の中小企業振興支援センター、商工会議所、商工会などに相談して、BCPに活用できる補助金・助成金がないか相談しましょう。 |
BCP専用の補助金や助成制度がなくても、あきらめずに個別の補助金を「BCP対策の一部に使えないか」しっかり確認してみましょう。
【市区町村ごと】BCPに活用できる補助金・助成金
国レベルや都道府県レベルの制度について紹介しましたが、最後は「市区町村レベル」でのBCPに活用できる補助金・助成金についての情報をまとめて紹介していきます。
「東京都〇〇区」「〇〇県〇〇市」など、市区町村レベルで実施されている補助金・助成金のなかにも、BCPに直結する制度や、間接的にBCP対策に使える制度が用意されていることがあります。
基礎知識や具体例、自社に使える制度の見つけ方について解説します。
市区町村のBCP関連補助金・助成金の基礎知識
市区町村レベルで実施されている補助金・助成金制度は、地域に根ざした事業者を直接的に支援する「小回りの利く制度」が多い点が大きなメリットです。
都道府県に比べると単体の補助上限額は小さい傾向がありますが、申請要件や手続きが比較的シンプルで、中小企業や小規模事業者にとって手軽に挑戦しやすい設計になっていることが多くあります。
制度によりますが、専門家へのコンサルティング委託料や、社内研修の講師謝金など、BCP策定フェーズの費用を補助する仕組みが充実している自治体もあります。
ただし、制度がそもそも用意されていない自治体もありますし、制度の内容や上限額などは自治体によって大きく異なります。さらに、予算が決まっていて年度途中で上限に達して受付終了になる場合もあるため、しっかり内容を確認することが重要です。
市区町村のBCP関連補助金・助成金の具体例
市区町村の「BCPに活用できる補助金」には、計画策定をサポートするものから、災害対策費用として設備導入・工事費用の費用を補助する制度まで、幅広い選択肢があります。
【市区町村ごとの「BCPに活用できる補助金」の例】
| 自治体・制度名 | 補助内容 | BCP対策でどう活用できるか(例) |
|---|---|---|
| 東京都江戸川区 「事業継続計画(BCP)の策定にかかる助成金」 | 助成額:上限20万円 助成率:2分の1以内 | BCP(事業継続計画)策定に要する経費を助成してくれる制度です。 ・コンサルタントによる指導に要する費用 ・内部研修の実施に係る講師派遣などの費用 ・外部研修の参加費用 |
| 新潟県長岡市 「BCP・事業承継・経営改善補助金」 | BCP型の場合 補助上限額:30万円 補助率:2分の1 | BCP(事業継続計画)または事業継続力強化計画の策定に関わる以下経費が対象となります。 ・税理士や金融機関などの支援機関への業務委託料・BCP等策定に関する研修の受講料、研修を実施する際の講師謝金など・その他の補助対象事業に関連する経費 |
| 愛知県春日井市 「BCP関連事業助成金」 | BCPなどの策定を行う場合 限度額:年間50万円 助成額:対象経費の50%以内 防災関連設備の設置の場合 限度額:年間300万円 助成額:対象経費の20%以内 | BCPや事業継続力強化計画の策定・改訂費用に加え、計画に基づいて行う防災設備などの導入が助成対象となります。 ・BCPや事業継続力強化計画の策定に関連する委託料・書類作成費・その他必要と認める経費 ・防災関連の設備等購入費・リース料・委託料・工事費用・その他経費 |
| 愛知県春日井市 「BCP関連事業助成金」 | BCPなどの策定を行う場合 限度額:年間50万円 助成額:対象経費の50%以内 防災関連設備の設置の場合 限度額:年間300万円 助成額:対象経費の20%以内 | BCPや事業継続力強化計画の策定・改訂費用に加え、計画に基づいて行う防災設備などの導入が助成対象となります。 ・BCPや事業継続力強化計画の策定に関連する委託料・書類作成費・その他必要と認める経費 ・防災関連の設備等購入費・リース料・委託料・工事費用・その他経費 |
| 福岡県久留米市 「中小企業止水板等設置事業費補助金」 | 補助上限額:50万円 補助率:50% | 市内で事業を営む中小企業、個人事業主を対象に、浸水対策の設置・工事費を補助する制度です。 ・止水板の設置工事費および附帯工事の費用 ・浸水被害の防止または軽減に資する関連工事の費用 |
※令和8年9月時点の情報です。
※上記内容はあくまで一例であり、BCP対策費用がかならず補助対象になることを保証するものではありません。具体的な対象要件や上限額については、最新の公募要領や専門窓口にてご確認ください。
市区町村のBCP関連補助金・助成金を調べる方法
BCPに活用できる市区町村の補助金を見つけるには、まずは「市区町村名+BCP補助金」で直接「BCP策定費用」に使える制度を検索して、次に「用途・目的別のキーワードでも調べてみる」というステップがおすすめです。
| 市区町村のBCP関連の補助金・助成金を調べる方法 ステップ1:「市区町村名+BCP+補助金」で検索する まずは自社が所在する市区町村で、BCPに特化した専用の補助金・助成金があるかを確認します。→検索例:「江戸川区 BCP 助成金」「春日井市 BCP 補助金」 ステップ2:実施する内容別に「市区町村名+対策内容+補助金」で検索する BCP対策に特化した専用制度がなくても、BCP対策の一環として実施する内容(IT化や止水板設置、耐震工事など)の補助金・助成金が見つかることがあるので探してみましょう。 →検索例「熱海市 防災用品 助成金」「川崎市 店舗改修 補助金」「那覇市 業務効率化 助成金」 ステップ3:市区町村の公式サイトから確認する 神奈川県横浜市公式サイトの「ビジネス」のページや、東京都三鷹市「補助金・助成金・支援金」のページなど、市区町村の公式サイトから事業者向けの情報を載せているページを見つけて、新着情報などから補助金・助成金の情報を確認してみましょう。 ステップ4:公的な相談窓口に相談する 市役所・区役所の産業振興担当窓口などに直接問い合わせて、「BCP対策や防災設備の導入に使える助成金はないか」と問い合わせることで、最適な制度を提案してもらえることがあります。 |
BCP策定だけでなく、耐震補強や止水板などの設置やクラウド化、リモートワーク環境の整備、備蓄品の準備、安否確認システムの導入など、BCP体制を整えるうえで使える補助金・助成金がないか調べてみましょう。
BCP補助金・助成金は漏れなく活用するのがおすすめ
ここまで、国・都道府県・市区町村それぞれのBCPに活用する補助金の具体例などを解説してきました。
BCPの取り組みを推進するうえでは、制度名に「BCP」が入っているBCP専用の補助金だけでなく、実質的にBCP対策として活用できるあらゆる補助金・助成金を漏れなく活用するのがおすすめです。
たとえば、次のような分野別の補助金・助成金は、BCP対策の一環として使える可能性があります。
| 防災・施設補強関連の補助金・助成金 ・浸水対策工事(止水板・防水扉の設置)に対する助成金 ・店舗や工場の耐震補強工事、ガラス飛散防止フィルムの設置費用を補助する補助金 ・自家発電設備や蓄電池、非常用備蓄品の導入に対する補助金 IT化・クラウド・通信基盤関連の補助金・助成金 ・クラウド型の業務システムやデータバックアップ環境の整備を助成する制度 ・在宅勤務やテレワーク導入に必要な通信機器 ・セキュリティ整備に対する補助金・安否確認システムや緊急連絡ツールの導入費用を補助する補助金 業務改善・設備投資関連の補助金・助成金 ・老朽化設備の刷新による安全性の向上や危機管理体制の強化に対する補助金制度 ・災害に強い分散型製造拠点や新事業展開への設備投資に関する助成金 サプライチェーン・複数企業連携に使える補助金・助成金 ・サプライチェーン対策を盛り込んだ補助金・BCP実践促進助成金(連携型)など、単独ではなく、商店街や工業団地、取引先のグループなど複数事業者が連携してBCPを策定 ・実践する場合に、設備やシステム構築費を上乗せして助成する制度(例:東京都中小企業振興公社など、一部自治体で実施) 人材育成・訓練・組織強化に使える補助金・助成金 ・従業員に職務関連の専門的な訓練を受講させる際の研修費用 ・訓練期間中の賃金の一部の助成制度 |
自社の自治体によって使える補助金や助成金が限られてしまうからこそ、「この補助金がこの部分に使えないか」という意識をもって、できるだけ漏れなく活用することが重要です。
重複して受けられる制度があれば可能な限りフル活用して、補助金・助成金を上手く使って自社の持ち出し費用を抑えながらBCP体制を整えましょう。
BCPの補助金・助成金を活用するときの4つの注意点
ここまで、国・都道府県・市区町村の各レベルで活用できる補助金の具体例や調べ方を紹介し、自社で使える制度を漏れなく活用すべきであることをお伝えしました。
実際に制度を利用するにあたっては、失敗しないための以下の4つの注意点を押さえておくことが大切です。
| BCPの補助金を活用するときの4つの注意点 ・対象となる要件をしっかり確認する ・補助金同士が併用可能かどうかを事前に確認する ・期限に間に合うよう事前準備をしておく ・補助金は事業を実施したあとに払われるケースが多い |
これらの注意点を理解しておかなければ、「期間に間に合わなかった」「もらえると思っていた補助金が下りなかった」など後悔する羽目になりかねません。申請前にしっかりと把握しておきましょう。
対象となる要件をしっかり確認する
BCP関連の補助金・助成金を申請する際は、事前にしっかり公募要領を確認して、自社が支給対象要件をすべて満たしているかを細かく把握しておくことが何より重要です。
要件を見落としてしまうと、せっかく補助金申請の準備をしても、採択されなかったり交付取消につながったりするリスクがあるので注意しましょう。
| 対象となる要件を確認するポイント ・対象事業者:規模や業種が限定されていないか確認 ・前提条件:事業継続力強化計画の認定が条件となっている補助金も多く存在するので注意 ・対象経費:自社が支出したい項目が対象に含まれているかしっかり確認 ・スケジュール:交付決定後に発注・購入・支払いを完了できるスケジュールになっているかなど |
なお、中小企業庁「事業継続力強化計画」の認定が「必須要件」になっていたり、審査で優遇されたりする補助金・助成金も多いため、できれば最初に「事業継続力強化計画」の認定を目指すのもおすすめです。
事業継続力強化計画についてさらに知りたい方は、以下記事もぜひご覧ください。
補助金・助成金同士が併用可能かどうかを事前に確認する
複数の制度を組み合わせて活用したい場合は、あらかじめ使いたい補助金・助成金について、併用可能かどうかを事前に確認しておきましょう。
一般的には、自治体の補助金・助成金は「同一の対象経費に対して、二重には資金交付を受けられない」とされています。一方で、目的や対象が異なる場合には、併用できるケースもあります。
たとえば「IT導入補助金で安否確認システムを整備し、自治体の助成金で防災備蓄品を購入する」といった併用は認められる可能性があります。さらに自治体によっては、国の補助金採択を受けた事業者に対して自己負担分の一部を補填する「上乗せ助成制度」を設けている場合もあります。
導入計画や申請の準備を進める前に、検討している制度の併用が可能かどうかをそれぞれの問い合わせ窓口であらかじめ確認しておくことをおすすめします。
期限に間に合うよう事前準備をしておく
利用したい補助金・助成金の制度を見つけたら、申請期限から逆算して余裕を持って準備を進めることが成功のポイントとなります。
補助金・助成金は年間を通じて募集されているとは限らず、公募期間が限定されていたり、年度の予算上限に達した時点で受付が終了してしまったりすることも多いためです。
申請期限や予算上限に遅れずに補助金を獲得するためには、先に以下の事前準備を済ませておくことをおすすめします。
| 申請期限や予算上限に遅れずに補助金を獲得するためのポイント 先に「事業継続力強化計画(ジギョケイ)」を済ませておく 補助金・助成金のなかには、「事業継続力強化計画(ジギョケイ)」などの事前認定が申請要件や審査上の加点項目になっているものも多くあります。認定取得には提出から1ヶ月〜2ヶ月程度かかるため、補助金・助成金に公募する前にBCP策定・申請を済ませておく必要があります。 電子申請用アカウント(GビズIDプライム)をいますぐ取得する 現在ほとんどの補助金申請が「GビズIDプライム」というアカウントを用いたオンライン申請が主流となっています。このアカウントの発行にも最大1ヶ月の時間がかかる場合がある(書類申請の場合)ため、使いたい補助金・助成金にすぐ申し込めるよう、アカウント申請手続きを行っておきましょう。 |
補助金の公募情報が出てからではなく、事前に下準備を進めておくことで、限られた公募期間でも慌てずに申請手続きを行えます。
補助金は事業を実施したあとに払われるケースが多い
制度にもよりますが、BCP関連の補助金や助成金は、申請→審査→交付決定→BCP施策の実施→実績報告→確定審査→入金という流れで、費用は「後払い(精算払い)」となるケースがほとんどです。
そのため、事業を実施する期間は、一時的に全額を自社で立て替える必要がある点に注意しましょう。手元のキャッシュから払えない場合は、事前の融資(つなぎ融資など)の検討も必要になります。
また、申請時に計画書に記載していない経費や対象期間外に支払った経費は、交付対象にならないことがあるため、やはり事前の準備が重要です。
補助金申請に不安がある場合は、認定経営革新等支援機関(国から認定を受けた士業・金融機関など)や「よろず支援拠点」(国の設置する経営相談窓口)、地元の商工会議所・商工会、民間の専門コンサルタントなどに相談しながら計画を立てるのが安心です。
BCP関連の補助金・助成金を受け取るまでの流れ
BCP関連の補助金・助成金の具体例や注意点などを確認したあとは、実際に補助金を受け取るまでの流れを把握しておきましょう。
前述したようにBCP関連の制度は「後払い」が基本であり、申請→審査→交付決定→BCP施策の実施→実績報告→確定審査→入金という流れが一般的です。
全体の流れや提出すべき書類をあらかじめ確認しておいて、申請期限や上限に達する前に確実に補助金交付を受けられるよう準備をしておきましょう。
| ステップ1:補助金内容を調べて申請準備を行う 本記事で解説した「補助金の調べ方」も参考に、自社の課題や目的に合う補助金を見つけたら、補助・助成内容や要件を確認して、申請のための準備を進めていきましょう。事業継続力強化計画(ジギョケイ)の認定を受けていなければ申し込めない制度もあるため、公募前から早めに必要な準備を進めましょう。必要に応じて、事業計画書や導入予定設備の見積書、経費内訳書、実施スケジュール(工程表)なども準備します。 |
| ステップ2:補助金の申請書類を提出して審査を受ける 提出前に支援機関や自治体などで事前確認を受けたうえで、添付書類に漏れがないか、計画書と見積書に金額のズレがないかや記載漏れがないか注意して申請しましょう。前述したように現在は「GビズIDプライム」というアカウントを用いたオンラインでの申請が主流です。申請後は、不備や修正の指摘があれば直し、審査・認定の連絡を待ちます。 |
| ステップ3:補助金の交付決定後、BCP施策を実施する 審査を通過して「交付決定通知」を受領したあとに、設備の購入やシステム構築などのBCP対策の具体的な事業に着手します。交付決定前の契約・購入・支払いはすべて補助対象外となるため、開始時期には十分注意し、実施中は発注書・領収書・写真などの証拠書類を漏れなく保管しておきましょう。 |
| ステップ4:施策が完了したら実績報告書を提出して確認を受ける 計画した取り組みが完了したら、実績報告書に費用明細や写真などの証拠書類を添えて補助金事務局に提出します。事務局による精査や必要に応じた現地確認(抜き打ち調査)が行われることもあるため、日頃から正確な記録や整備をしておくことが大切です。 |
| ステップ5:補助金請求の手続きを行って支払いを受ける 報告書の審査を経て補助金額が正式に確定すると、ようやく請求手続きに進むことができます。振込完了後も、証拠書類や帳票、証憑書類や報告書類は整理して保管しておきましょう。年度ごとの事業状況報告が義務付けられている場合があるため、最後まで適切に管理を行いましょう。 |
このように、申請から入金までには何段階もあり正しい手続きが必要となります。6章で解説した注意点をしっかり踏まえたうえで、しっかりと進行管理を行いながら進めていきましょう。
補助金だけでなく実効的なBCPを策定しよう
この記事では、BCP関連の補助金や助成金を調べて活用する方法を解説してきました。前章までのステップを押さえれば、自社で使える制度を見つけて申請手続きを問題なく進めることができるでしょう。
しかしながら、補助金を受け取ることだけをゴールにしてしまうと、本来の目的である「非常時でも事業を継続できる体制づくり」がおろそかになってしまうため注意が必要です。
補助金の要件を満たすためだけに作成された「形式的なBCP策定」では、実際の災害発生時に現場が混乱し、まったく機能しない恐れがあります。雛形・テンプレートを少し変えるだけでは、自社に合う実効的なBCP体制を構築するのは難しいと言わざるを得ません。
有事の際にしっかりと機能する「実効的なBCP体制」を整えたいのであれば、補助金のためのBCPではなく、以下手順に沿ってしっかりとBCP対策を進めることが重要です。

失敗しないBCP対策について知りたい方はぜひ、以下の記事もご覧ください。
もちろん補助金・助成金の活用は、自社の危機管理体制や防災インフラを整えるための貴重な後押しとなります。BCP関連の補助金をきっかけとして整備した仕組みやシステムを日常的に運用し、組織全体で防災意識と対応力を高めていくことが、真の事業継続力につながります。
BCPの第一歩におすすめ!トヨクモの『安否確認サービス2』
実効性のあるBCPを構築する第一歩としておすすめなのが、災害発生時に全従業員の安全を迅速に把握し、指示を出せる「安否確認体制の整備」です。
どれほど綿密な計画書を作成して補助金を活用したとしても、有事の際に「誰が無事で、誰が対応できるのか」を即座に把握できなければ、初動が遅れて被害が拡大してしまうからです。
トヨクモの『安否確認サービス2』は、災害時に自動で安否確認を一斉送信し、回答をリアルタイムで集計・管理できるクラウドサービスです。初期費用0円かつリーズナブルな月額料金で導入でき、IT導入補助金などのIT活用支援策とも親和性が高く、BCPの実効性を飛躍的に高めます。
アクセス集中・通信障害に強い圧倒的なインフラ
アクセス急増にも対応できるオートスケールシステムで、気象庁が災害を検知した段階で即座にサーバーを拡張。安否確認が始まる時点からストレスなく利用可能です。
安否確認部門 No.1※
「ITreview カテゴリーレポート」安否確認部門にて、6期連続で顧客満足度No.1を受賞。継続して高い評価を得ていることで、製品の「使いやすさ」「機能への満足」を実証しています。※ITreview カテゴリーレポート 2023 Fall 安否確認部門
管理も運用もカンタン
安否確認に必要な情報の登録や、通知先メールアドレスのメンテナンスなどもお手軽に管理できます。初めて管理者になった方でも、スムーズに運用できます。
トヨクモの『安否確認サービス2』は、30日間の「無料お試し」ですべての機能を何度でもご利用いただけます。まずは無料でシステムの操作性をお確かめください。
8.まとめ
本記事では、BCPに関する補助金・助成金について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。
◆BCP補助金は、国・都道府県レベル・市区町村ごとにさまざまなものがある
- 【全国】BCPに活用できる補助金・助成金
- 【都道府県ごと】BCPに活用できる補助金・助成金
- 【市区町村ごと】BCPに活用できる補助金・助成金
◆BCP補助金・助成金は漏れなく活用するのがおすすめ
◆BCPの補助金・助成金を活用するときの4つの注意点
- 対象となる要件をしっかり確認する
- 補助金同士が併用可能かどうかを事前に確認する
- 期限に間に合うよう事前準備をしておく
- 補助金は事業を実施したあとに払われるケースが多い
◆BCP関連の補助金・助成金を受け取るまでの流れ
・「後払い」が基本で、申請→審査→交付決定→BCP施策の実施→実績報告→確定審査→入金という流れが一般的
BCP(事業継続計画)を策定・推進するうえで補助金は大きな原動力となるものです。補助金をきっかけに事業の継続力を強化していきましょう。
5,000社が選ぶトヨクモの安否確認サービス

- 災害時遅延、停止0の実績
- 誰でも使えるシンプルな操作画面
- 初期費用0円、月額6,800円から
編集者:遠藤 香大(えんどう こうだい)
トヨクモ防災タイムズ 編集長 RMCA BCPアドバイザー トヨクモ株式会社で災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案や情報発信に携わる。トヨクモ防災タイムズではBCPや災害対策に関する記事の企画・執筆・編集を担当。専門家との連携や現場視点を取り入れながら、読者に寄り添う防災情報の発信を目指している。
