BCP担当者向けの認定資格「リスクアドバイザー」とは|講座内容・試験・取得後のメリットを解説

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遠藤 香大(えんどう こうだい)

「危機管理の担当に配属されたけれど、何から学べばよいか分からない」「BCPは自社にもあるが、自己流の運用に限界を感じている」──このような声を、企業の防災・リスクマネジメント担当者から聞く機会が増えています。

こうした担当者向けに、リスク対策.com(株式会社新建新聞社)が提供しているのが「リスクアドバイザー養成講座」です。3日間の集中講義と認定試験を経て、合格者には「リスクアドバイザー」の認定が付与されます。

本記事では、トヨクモ防災タイムズ編集長の遠藤が実際に受講した立場から、3日間のカリキュラム・認定試験・取得後のネットワークまでを通してレポートします。受講を検討中の方、社内で受講者の派遣を検討中の方の参考になれば幸いです。

リスクアドバイザー養成講座とは

リスクアドバイザー養成講座は、企業の危機管理・BCP担当者を対象に、リスクマネジメントと事業継続マネジメントの両方を3日間で体系的に学ぶプログラムです。

項目内容
主催リスク対策.com(株式会社新建新聞社)
受講回2026年度 第2回(2026年5月13日〜15日開催) 
期間3日間連続/最終日に認定試験
会場都内会議室
1日あたりの所要時間約7〜8時間
認定リスクアドバイザー認定(合格者に認定証)
持ち物筆記用具、ノートPC(必須)

内閣官房国土強靭化室の優秀事例にも採択されており、3日間で約20名前後の受講者が、リスクマネジメントの第一線で活躍する複数の講師から学ぶ構成になっています。

本記事は、2026年度 第2回(2026年5月13日〜15日開催)の受講内容に基づくレポートです。最新の開催情報やカリキュラムについては、リスク対策.comの公式サイトをご確認ください。

3日間のカリキュラム

3日間の内容は、以下のように設計されています。

1日目:リスクマネジメントの基礎

ISO31000を軸に、リスクの概念、リスクアセスメントの手順(リスクの特定→分析→評価→対応)、ISO31000の成立背景までを学びます。座学に加えて、自組織のリスクを20個以上洗い出すワーク、リスクマップを作成するワーク、SMART基準でのリスクマネジメント目標設定など、実践的な演習が組み込まれます。

2日目:BCP/BCMS

BCPの概論、BCP策定にあたっての方針と体制づくり、BIA(事業影響度分析)、事業継続戦略の立案までを扱います。午後にはBCPの訓練・演習設計に焦点を当てた専門講義も用意されており、参加者はワークを通じて考えます。

3日目:危機管理・実践応用+認定試験

危機管理の全体像、危機管理と法律(安全配慮義務・善管注意義務など)、ITリスク、被災シナリオ学習までを扱った後、最終コマで認定試験が実施されます。

受講して気づいた、講座の3つの特徴

実際に受講して感じた、本講座の特徴を3点に整理します。

特徴① 想定以上に「参加型」の講座

座学を聞くだけの講座をイメージしていると、ギャップを感じる構成です。講師から各受講者に問いが投げかけられる場面が1日に何度もあり、たとえば1日目の冒頭では「もし中学生や高校生に『リスクとは何か』を説明するとしたら、皆さんはどう言いますか」という問いに対して、参加者全員が順番に自分の言葉で答えていきます。

配布されたExcelやPowerPointのワークシートを、自分のPCで埋めていく時間も各日に組み込まれています。「自組織のリスクを洗い出す」「リスクマップを描く」「BCP演習を企画する」「被災シナリオを書き起こす」といった作業に、各自の実情を踏まえて取り組む構成です。

ワークの1つ、リスク洗い出し表の記入例
※記入内容は本記事用に架空企業を想定して作成しています

特徴② グループワークで他社担当者の課題感に触れられる

各日の終盤に、必ずグループワークが組まれます。同じ会社の参加者とは別の卓に分かれ、各自が作ったワーク成果物を発表し合い、ディスカッションする構成です。

このグループワークが、本講座のひとつの核となる時間でした。書籍やセミナー視聴では得られない、他社の担当者がいま何に悩み、何を優先しているかという生の声が、目の前で交わされます。業種や企業規模の異なるメンバーが集まることで、自社の取り組みを相対化する視点も得られます。

雑談ベースでも、能登半島地震を踏まえた対応、サイバーリスクへの備え、最近では富士山噴火リスクの話まで、最新の関心事が話題に上がりました。

特徴③ 学びを「定着させる」仕掛けが講座設計に組み込まれている

講師から紹介されたラーニングピラミッドという研究があります。講義を聞くだけでは5%、読書では15%しか記憶に残らない一方、自分の言葉でまとめて他者に教えると最も定着するという、学習科学の知見です。

本講座は、この原理を講座設計そのものに応用しています。各ワークで作ったものは個人の中で完結せず、グループ内で発表するプロセスが必ず組み込まれているため、「教える」フェーズが自然に発生します。3日間で得た知識が「分かったつもり」で終わらない構造になっているのは、本講座の特長です。

講師陣も日替わりで構成されており、岡部紳一氏(リスクマネジメント・BCP)、中野明安弁護士(危機管理と法律)、木村玲欧氏(被災シナリオ学習・人間特性論)、中澤幸介氏(リスク対策.com編集長/講座全体のホスト)など、それぞれ専門領域の異なる方々が登壇します。

リスクアドバイザー認定試験について

講座受講後、オンラインでの認定試験が実施されます。

  • 全50問・四肢択一・60分
  • 合否は試験結果と提出物(個人ワークの成果物)の総合評価
  • 結果通知は1ヶ月以内

3日間12コマ分の内容を横断的に問われる試験です。1日目のリスクマネジメント基礎から3日目の被災シナリオ学習まで、講義の理解度とワークでの実践が試されます。各日のワークに丁寧に取り組んでおくことが、結果的に最大の試験対策になります。 

認定取得後のネットワーク

認定取得後の特典として、年4回開催される「リスクアドバイザー情報交換会」に参加できる仕組みがあります。受講中のグループワークで得たつながりが、認定後も継続的に維持・拡張されていく設計です。

孤独になりがちな企業のBCP・リスクマネジメント担当者にとって、学び続ける場へのアクセスは、認定取得そのもの以上の価値を持つかもしれません。

こんな方に向いている/受講前にやっておくとよいこと

実際に3日間を経験した立場から、本講座が特に向いている方と、受講前に準備しておきたいことを整理します。

本講座に向いている方

  • 危機管理・BCP担当に着任して間もなく、体系的に学びたい方
  • 自己流のBCP運用に限界を感じ、専門知識で土台を固めたい方
  • 社内のリスクマネジメント体制や研修を企画・刷新したい立場の方
  • 他社の担当者と議論しながら自社の取り組みを見直したい方

慎重に判断したい方

  • 業界特化(医療、金融など)の深掘りを期待している方──本講座は業界横断の基礎強化が中心
  • 講義を一方的に聞いて学びたい方

受講前にやっておきたいこと

  • ノートPCの動作確認と充電器の持参
  • 自社のリスクマネジメント/BCPの現状課題を3〜5個メモしておくと、ワークの題材として直接活用できる

まとめ

3日間連続というまとまった時間を投じる必要はあるものの、リスクマネジメントとBCPを国際規格に沿って体系的に学べる機会は、企業の危機管理担当者にとって貴重な投資機会と言えます。座学とワーク、グループディスカッションが組み合わされた設計により、知識の習得と現場感覚の更新が同時に進む点が、本講座の最大の特長です。

本記事が、受講を検討されている方の判断材料となれば幸いです。

なお本記事は、株式会社新建新聞社/リスク対策.comのご了承のもと執筆しています。丁寧なご対応をいただいた運営ご担当者様、3日間にわたり熱量の高い講義を届けてくださった講師の皆様、共に学んだ受講者の皆様に、心より御礼申し上げます。


【講座情報】

  • 講座名:リスクアドバイザー養成講座
  • 主催:リスク対策.com(株式会社新建新聞社)
  • 期間:3日間(最終日に認定試験)
  • 公式:https://academy.risktaisaku.com/about/
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執筆者:遠藤 香大(えんどう こうだい)


トヨクモ防災タイムズ 編集長 RMCA BCPアドバイザー トヨクモ株式会社で災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案や情報発信に携わる。トヨクモ防災タイムズではBCPや災害対策に関する記事の企画・執筆・編集を担当。専門家との連携や現場視点を取り入れながら、読者に寄り添う防災情報の発信を目指している。

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