企業がLINEで安否確認するメリット・デメリット!LINE連携できるシステムも紹介

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遠藤 香大(えんどう こうだい)

災害が起きたとき、会社はまず従業員の無事を確かめなければなりません。そこで「普段使っているLINEで安否を確認できないだろうか……?」と考える担当者は多いはずです。ただ、LINEを企業の安否確認ツールとして使うには「向き不向き」があるため、必ずしもおすすめとは言い切れません。

そこで本記事では、企業がLINEで安否確認するメリット・デメリットを解説したうえで、災害時に「思いどおりに使えなかった……」とならないよう、企業がLINEで安否確認する際の注意点も解説します。記事の終わりにはLINE連携できるシステムも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

こんな不安やお悩みはありませんか

  • 安否確認に必要な機能を限られた予算内で導入したい
  • 災害時に全従業員と連絡が取れるか不安
  • 万が一の災害時、迷わず使えるようにしたい

詳しくはこちら

【企業向け】LINEで安否確認する方法

そもそもLINEは、東日本大震災発生後に大切な人との連絡が取れなかった経験をもとに誕生しました。現在では、日常的なメッセージのやり取りや通話など多彩な連絡機能で、幅広い用途のコミュニケーションアプリとして多くの人に利用されています。

(参照:LINEみんなの使い方ガイド「緊急時に役立つLINEの使い方」)

LINEで安否確認する方法は、LINE安否確認、グループLINE、LINE WORKSの3つの利用方法があります。

LINE安否確認を利用する

震度6以上などの大規模な災害が起こると、LINEのホームタブやトークタブなどに「LINE安否確認」が表示されます(表示の条件は状況により変わることがあります)。「無事」または「被害あり」を選ぶだけで個別に返信する手間なく一括で安否を共有でき、友だちの状況も一覧で確認可能です。

ただし、見られるのは自分の友だちの状況だけです。会社が従業員の回答を集めて一覧にする機能ではなく、表示のタイミングを会社が決めることもできません。

(参考:LINEみんなの使い方ガイド「LINE安否確認を利用する」)

グループLINEを作成する

部署や拠点ごとにグループLINEを作って、その中でメッセージのやり取りができます。作成手順は以下のとおりです。

  1. 部署や拠点ごとにグループを作る
  2. 従業員をグループに招待する
  3. 災害時に何を返信するかを決める。

返信の形は「氏名・安否・出社できるか」のように、メッセージの内容を決めておくと集計が楽になります。たとえば次のような内容がおすすめです。

【安否確認】〇〇株式会社 総務部です。

次の番号で返信してください。

①無事
②けがあり
③家族・自宅に被害あり

出社できるかどうかも書いてください

(回答例:① 出社できる)

発災直後は担当者も自分の安全確保や家族の安否確認で手が回らないため、運用ルールは平時に決めておくようにしましょう。

LINE WORKSを利用する

日常的な業務で「LINE WORKS」を使っている企業は「安否確認BOT for LINE WORKS」を利用する方法もあります。

安否確認の一斉送信や回答結果の集計など、従業員の安否確認をLINEで実施できるシステムです。連絡先登録はLINE WORKSとLINE個人アカウントのどちらにも対応しています。ただし、LINE WORKSの料金とは別に1IDあたり月額220円(税込)がかかります。

以上、3つの方法を紹介しました。この他に、記事終盤でも紹介する「安否確認システム」でもLINE連携による安否確認ができます。まとめると、以下のようになります。

サービス名一斉送信回答の確認方法個人アカウント費用(税込)
LINE安否確認自動一覧表示知られる無料
グループLINE手動目視確認知られる無料
安否確認BOT for LINE WORKS自動一覧表示要確認有料
安否確認システム自動一覧表示知られない仕様のものもある有料

企業がLINEで安否確認するメリット

このLINEを企業が安否確認ツールとして利用するメリットは以下のとおりです。

  • 操作研修が必要ない
  • プッシュ通知で気づきやすい
  • 既読機能で確認状況が分かる
  • 無料で使える

操作研修が必要ない

一般的に新しいシステムを導入するときは操作研修を行う必要があるため、従業員が使い方に慣れるまで時間がかかります。一方でLINEは、国内で多くの人が日常的に使っているアプリです。そのため、新しく操作を覚えるための研修は多くの場合必要ないでしょう。

プッシュ通知で気づきやすい

メールは仕事中にPCでしか確認しない従業員もいます。LINEはトークが届くとスマホの画面に通知が出るため、PCを開いて確認するメールより気づかれやすく手軽に返信できます。

既読機能で確認状況が分かる

LINEのグループトークでは、送ったメッセージの横に「既読」と「見た人数」が表示されます。返信を待つ間に何人が確認したかの目安が分かります。ただし、この数字だけでは「誰が見たか」までは分かりません。

無料で使える

LINEは基本的に無料で利用できます。前章で紹介した「LINE安否確認」、「グループLINEを作成する方法」なら新しく契約するものがないため無料で始められます。まずは安否確認の体制だけでも作りたい会社には始めやすいと言えるでしょう。

災害時にLINEで安否確認するデメリット

一方で、災害時にLINEで安否確認するデメリットもあります。

  • 個人LINEを教えたくない人もいる
  • 業務情報が漏洩する可能性がある
  • 自動送信や再送信ができない
  • 通信障害でつながらないことがある

個人LINEを教えたくない人もいる

グループLINEに参加すると、上司や同僚に自分のアカウント名やアイコンが知られます。会社のグループに入ることに抵抗を感じる従業員もいるでしょう。参加しない従業員がいると、友だちになっていない限りその人の安否はLINE上では確認できません。

業務情報が漏洩する可能性がある

企業が安否確認や業務のやり取りをLINEで行う場合、情報漏洩のリスクに気をつけなければいけません。万が一スマホを紛失した場合、安否確認以外の業務情報が漏洩するおそれがあります。データの共有範囲を定めたり、安否確認以外のやり取りは行わないなど、運用ルールを決めておく必要があります。

自動送信や再送信ができない

全従業員の安否を確認するためには、安否確認メッセージの自動送信や未回答者への再送信(リマインド)が重要になります。しかしLINEにはこれらの機能がないため、安否確認の担当者が手動で行う必要があります。災害時、安否確認作業をほかの復旧業務と兼務している場合、担当者の負担は大きくなるでしょう。

通信障害でつながらないことがある

災害時は回線の混雑や通信インフラへの被害などで、スマホがつながりにくくなることがあります。

この課題に対し、2026年4月からLINEの新機能「衛星モード」が順次提供されています。これにより、衛星通信「Starlink(スターリンク)」への接続が可能になりました。このように、地上回線が途絶えても連絡が取れる環境が整ってきています。

(参考:LINEヤフー株式会社「LINEをはじめ9アプリでStarlink衛星通信に初めて対応」)

しかし、この機能は空が見える屋外での使用に限られるほか、Starlinkに対応した通信会社との契約や対応スマホが必要であるなど、広く普及するにはまだ時間がかかりそうです。そのため、万が一LINEがつながらない時のために複数の連絡手段を用意しておくことをおすすめします。

【一覧】災害時の緊急連絡手段8選!話題のStarlink(スターリンク)も解説

企業がLINEで安否確認する際の注意点

企業がLINEで安否確認をするか決める時は、以下の2点を確かめましょう。

1つ目は「プライバシーへの配慮」です。個人のLINEアカウントを会社に教えることに抵抗がある従業員も多いため、登録が進まないといざという時に安否を確認できなくなってしまいます。LINEで運用するときはまずここが大きな壁になります。

2つ目は「従業員数」です。LINEでの確認は、メッセージの送信や返信のチェックをすべて手作業で行います。人数の少ない会社なら対応できても、従業員が多いと担当者一人では確認しきれません。災害時は取引先やお客様への連絡にも追われるため、手動での対応は難しくなります。

企業の安否確認は思いのほか確認事項が多くあります。

  • 担当者が被災・不在のとき、代わりに安否確認メッセージを送れる人が決まっているか
  • 夜間・休日でも安否確認メッセージを送れる体制になっているか
  • 家族の安否や、出社できるかどうかまで回答を集める必要があるか

確かめきれない項目がある場合は、手作業を増やすかほかの手段で補う必要があります。

LINEの弱点を克服するなら安否確認システムがおすすめ

そこでおすすめなのが「安否確認システム」です。

安否確認システムとは、緊急時に従業員(システムによっては家族も)の安否確認を効率化するシステムです。安否確認メッセージの自動送信、回答結果の自動集計など、手動では滞りがちな安否確認を自動化して企業の初動対応をサポートします。

LINEで困ることと、安否確認システムでの解決を並べると、次のとおりです。

LINEで困ること安否確認システムでは…
個人のLINEを会社に教えたくない管理者でも従業員の連絡先を見られないものもある
自動送信・未回答者への再送信がない気象庁の発表と連動した自動送信や、未回答者への自動再送信機能がある
返信を手動で数える回答を自動集計できる
回線がつながらないことがあるメール・アプリ・LINEなど複数の宛先に送れる

迅速な初動対応をサポートする自動化機能

安否確認システムの多くには、手作業を減らす自動化の機能があります。人事システム連携による従業員情報の更新、気象庁の発表と連動した一斉送信、未回答者への再送信といった機能が自動化されており迅速な初動対応をサポートします。

従業員のプライバシーに配慮した設計

安否確認システムには、「登録された連絡先を管理者が閲覧できない仕様のもの」や「位置情報機能のON/OFFを切り替えられるシステム」があります。また、LINE連携ができるシステムの中には、従業員がシステムのLINE公式アカウントから通知を受け取り、管理者でも従業員のLINEアカウント情報を確認できない仕様のものもあります。プライバシーに配慮したシステムで従業員の抵抗感を減らせれば、連絡先の登録や回答が進み緊急時に全員の安否を確かめやすくなります。

大規模災害を想定したリスク分散運用

安否確認システムを支えるサーバーが1箇所にしかない場合、その地域が被災するとシステムが停止するリスクがあります。そのため安否確認システムの中には、サーバーを関東と関西などの国内に「地方分散」、あるいは海外にも置く「国際分散」を行っているものがあります。地震発生時、ひとつの拠点が被災しても別の拠点で稼働し続けるため、システムが止まるリスクを下げられます。

【比較表】LINEでも通知が届く安否確認システム

最後に、LINE連携することでLINEでも通知が届く安否確認システムを紹介します。

安否確認サービス2セコム安否確認サービスエマージェンシーコールANPICANPiS
初期費用無料60,000円〜無料〜25,000円〜無料
月額料金6,800円〜12,000円〜+20円/ID10,000円〜5,130円〜6,000円〜
無料お試し期間30日間30日間30日間30日間2週間
LINE連携オプションオプションオプション標準搭載オプション
公式サイト▶︎詳細▶︎詳細▶︎詳細▶︎詳細▶︎詳細
この比較表は「防災タイムズ編集部(トヨクモ株式会社)」が作成しています。(2026年10月時点)

*価格は税抜きです。
*比較表に不正確な点がありましたら「防災タイムズ編集部(toyokumo@toyokumo.co.jp)」までご連絡をお願いいたします。

まとめ

LINEは多くの従業員が普段から使っていて、無料ですぐに始められる点が強みです。一方で、送信・再送信・返信の確認はすべて担当者の手作業になり、会社のグループに入らない従業員の安否は確かめられません。

注意点で確かめきれない項目がある場合は、安否確認システムで補うことを検討しましょう。LINE連携ができるシステムなら、従業員は普段のLINEで通知を受け取りながら、送信や集計はシステムに任せられます。

以下の記事では、LINE連携以外の安否確認システムも紹介しています。災害に備えた最適なシステム選びにぜひ参考にしてみてください。

【2026年最新】安否確認システムおすすめ20選を専門家が比較!失敗しない選び方を徹底解説

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遠藤 香大(えんどう こうだい)のサムネイルアイコン

編集者:遠藤 香大(えんどう こうだい)


トヨクモ防災タイムズ 編集長 RMCA BCPアドバイザー トヨクモ株式会社で災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案や情報発信に携わる。トヨクモ防災タイムズではBCPや災害対策に関する記事の企画・執筆・編集を担当。専門家との連携や現場視点を取り入れながら、読者に寄り添う防災情報の発信を目指している。

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