企業での防災対策に活かせる本を紹介|BCP策定に役立つサービスも

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遠藤 香大(えんどう こうだい)

効果的な防災対策を行うには、まず正しい知識を身につけることが重要です。比較的低コストで知識を習得する方法に、防災関連の本を読むことが挙げられます。しかし、防災関連の本にはさまざまなものがあるため、どれを読めばよいのかわからないという方も多いでしょう。

そこで、この記事では企業での防災対策やBCP策定に役立つ本を紹介します。また、社内で共有すべき防災知識が学べる本も紹介するため、防災やBCPの知識を身につけたいと考えている企業のご担当者の方は参考にしてください。

企業での防災対策に活かせる本のおすすめ3選

企業が被災して事業が中断する期間が長くなればなるほど、事業復旧は困難となります。そのため、企業における防災対策としてBCP(事業継続計画)を策定しておくことが不可欠です。

ここでは、防災やBCPの知識が身につく本を厳選して3冊紹介します。

「地図から読み解く自然災害と防災(減災)」

この本では、身を守るために知っておくべき地図記号や等高線の見方が紹介されています。自然災害を地図から読み取る方法が解説されているため、会社周辺の災害リスクをより深く理解できるでしょう。

会社がどのような災害の危険性にさらされているかによって、準備すべき対策は変わってきます。避難経路や避難場所も状況に応じて異なるため、地図を使って災害リスクを把握することはとても重要です。

書籍名地図から読み解く自然災害と防災(減災)
著者酒井 多加志
出版社近代消防社
発売日2019年7月3日
定価(税込)2,200円

(参考:近代消防社

「地図から読み解く自然災害と防災(減災)」のレビュー

地図を使った身の守り方がわかりやすく解説されている点が高く評価されていました。以下は、実際に読んだ人のレビューです。

自然災害が多発する現状の中で、地図を使った身の守り方を、大変わかりやすく解説している。防災に興味を持つ人は是非手に取るべきだと思う。

(引用:Amazon

「本当に使えるBCPはシンプルだった。 経営者のための3つのポイント」

こちらは、活用できるBCPを策定するポイントについて解説した本です。無駄な情報を省き、ポイントを3つに絞ることにより、初学者にもわかりやすい内容となっています。

書籍名本当に使えるBCPはシンプルだった。 経営者のための3つのポイント
著者池田 悦博
出版社税務経理協会
発売日2012年10月1日
定価(税込)1,430円

(参考:税務経理協会

「本当に使えるBCPはシンプルだった。 経営者のための3つのポイント」のレビュー

ページ数が少なく、さっと読める点が高く評価されています。ただし、概要を理解するにはよいものの、具体的な計画を立てるのは難しいという意見もありました。BCPを一から策定しようとすると、情報が足りない場合もあるかもしれません。

実際に読んだ人のレビューは、以下のとおりです。

BCPはその企業が使いこなせる、実践的であるべきと訴えている。業種、業容、企業スタイルによって事業継続についてというより、想定リスクが異なるので対応も異なる。比較的わかりやすく書かれている。

(引用:Amazon

ポイントは押さえているが、この本だけで自力でBCP策定するのは難しいだろうなぁ(まあ、そこが狙いだけど)。このシンプルさが逆に「ISO化って意味あるの?」という問いかけになるような気も。

(引用:読書メーター

図解入門ビジネス 最新 事業継続マネジメントとBCP(事業継続計画)がよーくわかる本

この本では、BCPやBCM(事業継続マネジメント)の構築・導入方法などを説明しています。BCPとBCMに関する省庁のガイドラインも紹介されており、一冊で各省庁のガイドラインを理解できる点も魅力です。

書籍名図解入門ビジネス 最新 事業継続マネジメントとBCP(事業継続計画)がよーくわかる本
著者打川 和男
出版社秀和システム
発売日2016年3月28日日
定価(税込)1,782円

(参考:秀和システム

「図解入門ビジネス 最新 事業継続マネジメントとBCP(事業継続計画)がよーくわかる本」のレビュー

BCPの知識や自治体の取組例など、幅広い知識が説明されている点は高く評価されていました。しかし、2016年に発売された物であり、内容は古くなっています。そのため、実際にBCPを策定する際には、新しい情報を収集する必要があります。

経産省など公知の機関によるガイドラインやグローバルレベルでのBCPの経緯、自治体の取り組みの例やBCPの訓練に関して、手広く、分かりやすく、詳しく紹介されておりおススメです。
BCPにとどまらず、PDCAを回していくBCMについてもきちんと言及されていますし、資格のことまで。
表紙を見ると薄っぺらい入門本かと思いきや、色々なBCP関連書籍の中でもかなりエビデンスベースで豊富な情報量があると思います。

(引用:Amazon

現代に合わせた情報の掲載が必要かと。

(引用:Amazon

社内での共有がおすすめの防災関連の本4選

災害は勤務時間外に発生することもあります。そのような場合に備えて、従業員が自分自身の身の安全を確保できるよう、日頃から防災知識を共有しておくことが大切です。

ここでは、社内で共有すべき防災知識が学べる本を紹介します。

「保存版 新しい防災のきほん事典」

こちらは、災害時に役立つテクニックを幅広く網羅した本です。手書き風のイラストとともに、各災害の発生するメカニズムや、発生した際の行動などが掲載されています。

そのほかにも、ペットボトルでライフジャケットを作る方法や、乾電池で火を起こす方法といった防災テクニックも紹介されています。これらを覚えておくことにより、いざというときに身の回りのもので安全を守れるでしょう。

書籍名保存版 新しい防災のきほん事典
著者永田 宏和 監修 / 石井 美恵子 監修
出版社朝日新聞出版
発売日2021年2月22日
定価(税込)1,760円

(参考:朝日新聞出版

「保存版 新しい防災のきほん事典」のレビュー

多くの情報が掲載されており、辞書のような役割を果たしているという評価が多く見受けられました。しかし、文字が小さくて読みにくいという指摘もあり、普段あまり本を読まない人には少し読みづらいかもしれません。

以下は、実際に読んだ人のレビューです。

タイトルに「保存版」とある通り、内容を記憶するものというより辞書的に参照する本。応急処置や被災後の生活にも言及しており幅広い。一つひとつの事象をもっと深く知るためには他の書籍にあたるべきだが、全体を概観するには分量含めわかりやすくちょうど良い。 防災に対する意識を高めるため、一家に一冊置いておいて損はないだろう。

(引用:読書メーター

ちまたに出回っている防災マニュアルの10冊分を凝縮した本、という感じ。防災マニュアルでこれほど分厚いのはあまりないし、イラストがふんだんに使われているものの文字が小さいので結構文字数も多く、読み物とするのは大変である。しかし、分厚い割に値段が安く設定されており、それでいて、防災に関するさまざまな内容がしっかりと網羅されているので、確かに「事典」として、「保存版」として、備えておいてもいいかもしれない。

(引用:読書メーター

「4コマですぐわかる 新みんなの防災ハンドブック」

こちらは、防災士でありイラストレーターでもある草野かおる氏が、防災の知識を4コマ漫画でわかりやすく説明した本です。災害発生時に取るべき行動や、日頃から実践できる対策、避難生活を乗り切るためのアイデアなどが掲載されています。

書籍名4コマですぐわかる 新みんなの防災ハンドブック
著者草野かおる
出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日2019年2月22日
定価(税込)1,430円

(参考:ディスカヴァー・トゥエンティワン

「4コマですぐわかる 新みんなの防災ハンドブック」のレビュー

4コマ形式で読みやすいにもかかわらず、内容が充実している点が高く評価されていました。誰でも読みやすい内容となっており、社内にひとつ置いておくのもよいでしょう。

実際に読んだ人のレビューは、以下のとおりだ。

4コマといえど、中身が予想以上に濃かった!防災意識はあったし、万が一の対策をしてる方だと思ってたけれど、知識も対策も足りてないと気付かされた。できることからやっていこうっと。

(引用:読書メーター

とにかく読みやすく分かり易いです。へー、そうなんだということも多く、コミックなのですんなり頭に入っります。でも思い込みは意外と刷り込まれているので、手近に置いて、折に触れてパラパラ見て頭に入れるようにしています。見るたびにそうそうとあいづち打ちながら記憶を入れなおしてます。子供にもわかりやすく、本棚に入れないで出しておくのが一番です。

(引用:Amazon

「図解でわかる 14歳からの自然災害と防災」

こちらは、日頃の備えや災害時の対応に関する疑問に、専門家が回答している本です。防災知識についてQ&A形式で説明されているため、読み進めやすい内容となっています。また、鮮やかなイラストも多数掲載されており、読んでいて飽きることはないでしょう。

書籍名図解でわかる 14歳からの自然災害と防災
著者社会応援ネットワーク
出版社太田出版
発売日2022年2月9日
定価(税込)1,650円

(参考:太田出版

「図解でわかる 14歳からの自然災害と防災」のレビュー

イラストが多く、読みやすいという意見が多く見られました。以下は、実際に読んだ人のレビューです。

各パート毎に、参考文献・資料として書籍やwebサイト表記あり。P67には災害や防災がテーマの本の紹介あり。  家族バラバラになったらどうしたらいい? 避難所と避難場所の違いは?など、Q&Aで書いてありわかりやすい。

(引用:読書メーター

子どもと一緒に防災を考えたくて、こちらの本を購入。中学生の娘は「イラストが多くて読みやすい」と、途中で飽ることなく一気に読み切りました。

(引用:Amazon

「レスキューナースが教えるプチプラ防災」

こちらは、阪神・淡路大震災で実家が全壊した経験を持つ著者の辻直美氏が、プチプラ防災テクニックを紹介している本です。家にあるものや100円ショップで購入できるものを使用した、災害に強い家を作る方法などが説明されています。掲載されている防災テクニックは、プロでなくてもできるものばかりで、特別な道具を必要としません。

書籍名レスキューナースが教えるプチプラ防災
著者辻直美
出版社扶桑社
発売日2019年11月30日
定価(税込)1,320円

(参考:扶桑社

「レスキューナースが教えるプチプラ防災」のレビュー

この本では、防災対策を施した場合と施していない場合の被害イメージを写真付きで説明しているため、読者に実感が湧くという意見が多く見られました。防災用品は高価なものが多く、それなりの数を揃える必要があるため、費用を抑えたい場合には、本書で紹介されているテクニックを活用しながら、家にあるものなどで代用するとよいでしょう。

実際に読んだ人のレビューは、以下のとおりです。

タイトルで期待した、気軽に用意していける防災用品や代用品については、期待以上に役立った。 それ以上に良かったのが、精神面も重視しながら書いてくれていること。 「地震で食器が飛び出したら危ないですよ」と言われたらその通りだなとはもちろん思うのだけど、危機感が足りない私などはちょっとまだ先延ばしにしてしまったりもする。 「地震のショックの後で物が散乱したキッチンを片付ける精神的負担は重いですよ」と実際備えありなしの写真比較を添えて言われると、そのぐったり感がリアルに想像でき、うわそれはキツいなととりあえず整理だけでも手をつけられた。 

(引用:読書メーター

プチプラでも防災に備えるとなると、それなりの支出になりそうだな〜というのが正直な感想(命に比べたら安いものだと思いますが)。ただ、防災用品よりかは随分安くなるだろうし、代用品を紹介してくれているのはとても参考になりそう。災害時を生き抜く知恵がコンパクトにまとめられている一冊。

(引用:読書メーター

BCPの策定なら「BCP策定支援サービス(ライト版)」の活用がおすすめ

BCPでは、基本方針や重要商品を提供するための対策、BCP運用に関する規則など、決めなければならないことが多岐にわたります。自社にBCP策定のノウハウがない場合、策定に多くの時間を要してしまいます。

できる限り短期間でBCPを策定したい場合は、トヨクモの『BCP策定支援サービス(ライト版)』を活用することをおすすめです。BCP策定支援サービス(ライト版)では、豊富な知識を有する専門家がBCPの策定を支援します

このサービスを利用すれば、安価でBCPを策定できるうえ、早ければ1ヶ月程度でBCPが完成します。興味のある方は、ぜひ以下のリンクから資料をダウンロードしてください。

防災対策の本を読んだら実践することが重要

この記事で紹介した防災やBCPに関する本は、どれも実践的な知識を得るのに最適な一冊です。しかし、本で得た知識はそのままでは意味がありません。

読んだあとは、学んだことを確実に実践に移すことが大切です。さらに、必要に応じて、得た知識を従業員に共有する必要もあります。

日頃から災害への備えを怠らず、いざというときに従業員の命と事業を守れるよう、全社一丸となって防災対策に取り組んでおきましょう。

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