大雪に備えた会社の対応策とは?現状や想定される被害を解説

遠藤 香大(えんどう こうだい)
毎年、冬になると大雪によって交通機関がストップしたり、ある地域が陸の孤島になったりと雪害のニュースが報道されます。豪雪地帯に営業先や支社がある企業にとって、大雪による災害は他人事ではありません。また、普段は降雪量の少ない地域でも大雪対策をしておかないと、万が一災害に遭遇した際にすみやかな対応できず、企業のイメージを下げてしまう可能性もあるでしょう。
そこでこの記事では、大雪に備えた会社の対応策を紹介します。日本における雪害の現状や会社への被害も紹介しているので、あわせて参考にしてください。
目次
日本における雪害の現状
近年、地震が頻発していることもあり、地震への備えの強化をしている会社は多いでしょう。しかし、日本は国土の半分以上が豪雪地帯にもかかわらず、大雪への備えが不十分な会社は珍しくありません。
▲出典:特集 大雪への備え~雪害では、どのような災害が起こるのか
したがって、雪害への備えを強化し、いつ災害が起きても身の安全を守れる体制を整えておく必要があります。
なお、発生しやすい雪害は以下の5つです。
- 除雪中の事故
- 車による雪道での事故
- 歩行中の雪道での事故
- 雪のレジャーでの事故
- 雪崩による事故
雪による事故の死者の多くは、除雪中に発生した事故によるものです。そのため、除雪中は事故への理解を深め、徹底的な安全対策を講じなければいけません。
また、降雪時・降雪後には路面の凍結や視程障害(吹雪などによる視界不良)による車の事故が多発するほか、歩行時に転倒する方が増えます。実際、2023年1月は大雪によって死者8名・重傷者35名・軽症者77名の人的被害が生じました。さらに水道管の凍結などによって石川県を中心に最大14,385戸が断水したり、降雪や強風に伴う倒木による断線などの影響により中国電力管内では最大約3,100戸が停電したりするなど大きな被害が出ています。以上のことから、会社においても大雪への備えは必須と言えるでしょう。
(参考:特集2 第6章 令和5年1月20日からの大雪等による災害 : 防災情報のページ – 内閣府)
大雪によって起こり得る会社への被害
大雪によって起こり得る会社への被害は、主に以下のとおりです。
- 出社・帰宅できない
- 事業を継続できない
- 事故を起こしやすい
それぞれについて解説します。
出社・帰宅できない
大雪が降ると、従業員が出社・帰宅できない恐れがあります。たとえば、電車で出社している場合、大雪によって公共交通機関がストップすると出社できません。すると業務遂行に支障が出て売上が低下したり、取引先に迷惑をかけたりする場合もあります。
事業を継続できない
大雪によってインフラに影響が出ると、事業を継続できない可能性があります。たとえば、道路の凍結によって物流がストップすると、必要な材料が揃わずに事業を進められないケースもあるでしょう。また、大雪によって電線が遮断すれば停電を招くほか、積雪によってガスが使用できなくなるなどの被害も生じやすいです。
事故を起こしやすい
大雪時は平常時と同じ行動を起こしづらく、事故を招きやすい点にも注意が必要です。たとえば、大雪によって積雪するとスリップを起こしやすくなったり、視界不良による交通事故を引き起こしやすくなったりします。就業中に事故を起こすと従業員の身の安全が脅かされるだけではなく、賠償責任を負うこともあります。場合によっては企業イメージにも影響を及ぼし、企業価値の低下にもつながるでしょう。そのため、大雪時はいつも以上に安全な行動が求められます。
なお、従業員が通勤中もしくは就業中に事故を起こした場合、労働災害として認められる場合があります。労働災害の詳細は以下の記事で詳しく解説しているので、知識を深めたい方はあわせてご覧ください。
大雪に備えた会社の対応策
大雪に備えて会社が取るべき対応策は、以下のとおりです。
- 大雪に関する安全策を決めておく
- 災害時用の防災グッズを活用する
- BCPを策定しておく
それぞれについて解説します。
大雪に関する安全策を決めておく
大雪に関する独自の安全策を、会社で決めておきましょう。
気象庁は早い段階から大雪の危険性を発表しているため、企業の役員や管理者はその情報をもとすみやかに収集して適切な判断を下すことが大切です。たとえば、従業員の早期帰宅を促す、または出社を見送らせるなどの措置を講じることも有効策です。従業員の危険を鑑みて出社を見送らせる場合は、会社への電話を管理者や役員に転送できるようにしておくとよいでしょう。
なお、大雪が予想される場合は、リモートワークを導入するのも有効です。在宅で仕事ができれば業務が大幅に遅れる心配がなく、通常通りの作業を遂行できます。
災害時用の防災グッズを活用する
ライフラインがストップした場合や帰宅できないときに備えて、防災グッズを活用しましょう。停電によって暖房が使えないケースも想定して使い捨てカイロや毛布などの防寒グッズも用意しておくと、会社に泊まることになった際に役立ちます。また、スコップや手押し車などの除雪用具も完備しておけば、状況に応じて除雪作業も行えます。
一酸化炭素中毒への危険性を周知する
車移動の多い営業職や配送業の会社などでは、大雪によって車が立ち往生した際に起こりがちな一酸化炭素中毒の危険について周知しておきましょう。一酸化炭素には臭いがなく、気づかないうちに中毒を起こして死亡してしまう恐れがあります。実際に、大雪の日に車中で身動きがとれなくなり暖をとろうとエンジンをかけたものの、車のマフラーが雪で覆われていることに気がつかず一酸化炭素中毒によって死に至ったケースが報告されています。
そのため、大雪時に車で立ち往生したときの対応策をあらかじめまとめておき、従業員に配布することも重要な施策です。
BCPを策定する
大雪をはじめとする災害時でも事業を継続するためには、BCP(事業継続計画)の策定が欠かせません。BCPとは、緊急事態が発生したときの対策や防止策をまとめた計画のことです。事前にBCPを策定していれば状況に応じた行動を起こしやすくなり、災害時でも事業を継続しやすいでしょう。
なお、企業によって事業形態が異なるため、パッケージ化されたBCP対策を導入しても効果があるとは限りません。そのため、自社の特性に応じたBCP対策を策定することが重要です。
BCPの策定がお済でない方には、トヨクモが提供する『BCP策定支援サービス(ライト版)』の活用をおすすめします。
通常、BCPコンサルティングは数十〜数百万円ほどかかりますが、BCP策定支援サービス(ライト版)であれば1ヵ月15万円(税抜)で策定できます。また、最短1ヵ月で策定できることから、金銭的な負担や手間を減らしながらBCPを策定できるでしょう。
大雪対策にはトヨクモの『安否確認サービス2』の活用を
大雪をはじめとする災害時には、迅速に従業員の安否確認をして、出社可能な従業員の把握をすることも、事業の継続のためには重要です。従業員の安否確認にはトヨクモの『安否確認サービス2』が大変便利です。気象庁の情報と連動して自動で安否確認を行えるため、安否確認にかかる手間を大幅に削減できます。また、従業員から集まった回答結果も自動で分析でき、迅速な事業復旧が可能となるのも魅力です。
さらに安否確認サービス2には、BCPに必須の機能が搭載されているのも特徴です。たとえば、掲示板機能を活用すると被害状況や今後の事業継続など、周知しておきたい情報を迅速に共有できます。メッセージ機能は特定の従業員のみが閲覧・書き込みできるため、今後の対応についても議論しやすいでしょう。
大雪における会社対応を決めておこう
近年は異常気象が叫ばれており、昔なら降らなかった地域で大雪となることも珍しくありません。とくに雪に慣れていない地域は、大雪による被害が大きくなりやすい傾向です。大雪への被害を最小限に抑えるためにも、今回紹介した会社ができる対応策を参考に万全な備えをしておきましょう。
大雪をはじめとする災害への備えには、トヨクモの『安否確認サービス2』の活用がおすすめです。初期費用不要で利用できるほか、30日間のトライアル期間を設けているため、自社に合っているかどうかを見極めてから導入できます。災害時の備えを強化したい方は、ぜひ無料体験をお試しください。