安否確認システムの導入の流れを解説!活用事例も紹介
遠藤 香大(えんどう こうだい)
地震や台風などの自然災害や、予期せぬ緊急事態が発生した時、従業員の安全を迅速に確認する安否確認システム。企業のBCP(事業継続計画)対策として導入する企業が増えています。
しかし、いざ導入しようとしても、
「どのようなステップで進めればいいか?」
「自社で事前に準備しておくべきことは何か?」
「導入後に形骸化させないためにはどうすればいいか?」
わからないことも多いですよね。
そこで本記事では、安否確認システムの導入の流れを解説します。安否確認システムを知るところから、導入後の活用方法まで網羅的にまとめています。安否確認システムの導入の流れを知りたい方はぜひ参考にしてください。
こんな不安やお悩みはありませんか

目次
安否確認システムの導入の流れ
本記事では、安否確認システムの導入の流れを3つのステップで解説しています。
まずSTEP1では、そもそも安否確認システムとは何なのか知り、導入目的の整理、各製品の比較をします。次のSTEP2では、自社に最適なシステムを契約し、実際に稼働させるための初期設定を行うフェーズです。最後のSTEP3では、システム導入後に社内へどう定着させ、災害などの有事にどう活用していくかという運用面を解説します。
各ステップには、より理解を深めたい方向けに詳細記事へのリンクも設置しています。気になる項目があれば、ぜひリンク先もあわせて参考にしてください。
【STEP1】安否確認システムを知る
まずは、安否確認システムを知るところから始めましょう。
安否確認システムとは
安否確認システムとは、災害時に従業員とその家族の安否確認を効率化するシステムです。安否確認メッセージの自動送信、回答結果の自動集計など、手動では滞りがちな安否確認を自動化して企業の初動対応をサポートします。
事業を復旧させる力(レジリエンス)の強化や、取引先との信頼性を向上するために、実際に安否確認システムを導入する企業が増えてきています。
安否確認システムの基本機能
以下の機能は需要が高く、多くの安否確認システムに搭載されています。
| 基本的な機能 | 概要 |
|---|---|
| 安否確認メッセージの自動一斉送信 | 災害発生時、安否確認メッセージを自動送信する。 |
| 回答結果の自動集計 | 従業員からの回答をシステムが自動集計する。 |
| 未回答者への自動再送信 | 未回答者を絞り込み、自動でメッセージを再送信する。 |
| メッセージの設問設定 | 怪我の有無・出社可否など、安否確認メッセージ内の選択肢を自由に設定できる。 |
| 掲示板 | 被害状況の報告・対応指示など、複数人に向けて情報共有できる。 PDFや画像・動画を添付できるシステムもある。 |
【独自調査】安否確認システムの利用率は42.3%
「トヨクモ防災タイムズ(本メディア)」を運営するトヨクモ株式会社が実施した「企業の防災・安否確認体制に関する実態調査2026」では、従業員100名以上の企業における安否確認手段の割合は以下の結果となりました。

- 社内メール:52.3%
- 安否確認専用システム・サービス:42.3%
- ビジネスチャット(Slack、Teams等):41.4%
- 電話::29.7%
- SNS(LINE等の個人アカウント):26.1%
※複数回答、上位5件を抜粋
(参考:トヨクモ株式会社「トヨクモ、「企業の防災・安否確認体制に関する実態調査2026」を発表」)
社内メールが52.3%と最多であるものの、安否確認専用システム・サービスを導入している企業は42.3%と僅差で続いており、主要な連絡手段として普及し始めていることが分かります。
導入事例を参考にする
続いて、安否確認システムの製品ホームページで安否確認システムの導入事例を参考にします。
安否確認システムの提供会社は、実際にシステムを導入した企業の事例をホームページで公開しています。導入事例を読む時は、自社と同じような課題を安否確認システムを導入してどのように解決したか参考にしましょう。
たとえば、トヨクモ「安否確認サービス2」の製品ホームページでは、「業種・ユーザー数・エリア・機能や課題」で条件を絞って導入事例を検索できます。貴社の条件に近い企業の導入事例をぜひ参考にしてみてください。
関連ページ:トヨクモ 安否確認サービス2「導入事例」
導入目的を整理する
安否確認システムを定着させるためには、自社が「なぜ導入するのか」という目的を明確にすることが最優先です。導入事例を参考に現状の課題、過去の経験を振り返りながら、目的を整理していきましょう。
1.現状の課題から考える
まずは、現在社内で課題になっている要素を洗い出します。
| 課題例 | 内容 |
|---|---|
| 運用体制の不安 | 専任の担当者がおらず、導入や初期設定を進められるか不安がある。 |
| ITリテラシーの課題 | 高齢の従業員が多く、新しいツールを操作できるか心配である。 |
2.過去の災害や従来の手法から考える
また、過去の震災時の経験や、現在使っている連絡手段(または旧システム)の問題点を洗い出すことも重要です。
| 課題例 | 内容 |
|---|---|
| 一斉送信・集計のタイムラグ | 手動での確認や従来のシステムでは、全員の回答が揃うまでに時間がかかりすぎている。 |
| アナログ対応 | 電話で一人ひとりに連絡を取る方法では、手間がかかりすぎる。また、回線が混雑してつながらないこともある。 |
| コストの最適化 | 機能に対して維持コストが見合っておらず、費用対効果が低い。 |
| 個人情報の保護 | プライバシーへの配慮が不足しており、従業員が連絡先の登録をためらっている。 |
3.解決できる機能があるか確認する
洗い出した課題を、検討中の安否確認システムが解決できるか確認します。たとえば先ほどの課題には、以下の機能で対応できます。
| 整理した課題 | 解決できる機能・体制 |
|---|---|
| 運用体制の不安 | ・提供会社のサポート体制 ・FAQコンテンツの充実度 |
| ITリテラシーの課題 | ・シンプルな操作画面 ・安否確認メッセージの代理回答機能 |
| 一斉送信・集計のタイムラグ | ・気象庁の情報と連動した自動一斉送信 ・安否回答の自動集計機能 |
| アナログ対応 | ・メール ・専用アプリ ・LINE など 複数の連絡手段の搭載 |
| コストの最適化 | ・料金相場よりも安い価格 ・従業員数に応じた料金プラン |
| 個人情報の保護 | ・従業員のプライベートアドレスの非公開設定 ・位置情報機能のON/OFF設定 |
システムを比較する
導入目的が整理できたら、いよいよ安否確認システムの比較へ移ります。システムを選定する際は、主に以下のポイントに着目しましょう。
- どの情報をもとに安否確認メッセージが発信されるか
- 従業員のプライバシーを守れるか
- メール・SMS・専用アプリ・LINEなど複数の連絡手段が使えるか
- 料金プランは自社の予算感と一致しているか
- データセンターはリスク分散されてるか
以下の記事では、選定ポイントの解説と各システムの機能・料金を比較しています。最適なシステム選びにぜひ参考にしてみてください。
無料トライアルでお試しする
また、無料トライアルで導入前にお試しすることも重要です。トヨクモの独自調査では、安否確認システムの入れ替えを経験した企業のうち、58%が「事前に確認しておくべきこと」として「無料お試しによる実際の操作性の確認」をあげています。

この調査からもわかるように、半数以上が「無料お試しによる実際の操作確認」の重要性をあげています。多くの安否確認システムでは無料トライアルが用意されているため、本格導入前には必ず管理者・従業員双方で使い勝手を試しておきましょう。
災害時の稼働実績も重要
また、安否確認システムの災害時の稼働実績も重要です。機能が魅力的だったり利用料金が安くても、実際に地震が起きた時に使えなければ意味がありません。とくに大地震が発生した際には、アクセス集中によるサーバーダウンのリスクも考えられます。そのような状況でも正常に安否確認メッセージを配信できていたか必ず確認しましょう。
(参考:トヨクモ 安否確認サービス2「自動配信実績」)
【STEP2】安否確認システムを導入する
比較検討が終わり安否確認システムの契約が完了したら、実際に導入して運用を開始する段階に入ります。ここでは、初期設定から実際の運用開始までのステップを解説します。
初期設定
まずは、システムの基盤となる管理者の設定と、導入担当者自身のテストアカウントの作成を行います。
| システム管理者でのログイン | 契約時(または無料お試し開始時)に発行された初期管理者アカウントでシステムにログインします。 |
| 担当者のアカウント作成 | 管理者自身のユーザーアカウント(氏名、ログイン用ID、初期パスワード、会社用メールアドレスなど)をシステムに登録します。 |
| 管理者権限の付与 | 作成したアカウントに「システム管理」や「配信・集計管理」の権限を付与し、全機能の設定や操作ができるようにします。 |
個人で検証
初期設定が完了したら、まずは担当者がシステム操作をテストします。
| 一斉送信テストの実行 | 「手動一斉送信」機能を使い、宛先に自分のアカウントだけを指定して安否確認メッセージを送信します。 |
| メッセージの受信・回答を体験 | 登録したメールアドレスに届いた通知を開き、記載されているURLから安否状況を回答してみます。 |
| 集計結果の確認 | 集計画面を開き、自分が回答した結果が集計表へ反映されているかを確認します。 |
関係部署での検証・社内提案
個人での検証を終えたら、次は複数名の検証メンバー(各部署の代表者や情報システム部門など)を巻き込んで、組織的な運用ができるかを検証します。
| 検証メンバーの登録 | 検証に協力してもらうメンバーのアカウントを作成します。 |
| 通知先の登録と案内 | メンバーにログイン情報を共有し、会社用メールアドレスが登録されているか確認してもらいます。 |
| 複数名での送信テスト | 登録したメンバー全員にテストメールを送り、各自に回答してもらいます。その後、管理画面から全体の回答率を確認します。 |
本番環境構築
個人・検証メンバーによる検証で問題がなければ、全社展開に向けた本番環境の構築を進めます。
| 全従業員・組織データの登録 | 全従業員のアカウント情報と所属部署データをCSV一括登録や外部システム(人事労務システムなど)連携で登録します。 |
| 自動一斉送信の条件設定 | 設定した「地域」と「震度」で地震が発生した際に自動で配信されるよう設定します。 |
| メッセージ・設問のカスタマイズ | 自社の災害対策マニュアルに合わせ、配信するメッセージの文面や、選択する設問(出社可否、家族の安否など)を編集します。(参考:安否確認メール例文) |
運用開始
環境構築完了後は、いよいよ全社展開と本番運用を開始します。
| 全社周知 | 操作説明会の実施やFAQページの共有を行い、従業員各自に専用スマホアプリのインストールを進めてもらいます。(参考:トヨクモ「安否確認サービス2」操作ガイド) |
| 未登録者への定期周知 | 管理画面から連絡先が未登録の従業員を抽出し、登録を完了するよう定期的に周知します。 |
(参考:安否確認サービス2「導入までのスケジュール」)
【STEP3】安否確認システムを活用する
安否確認システムを災害時に使いこなすためには、日常的に活用することが重要です。
防災訓練で安否確認システムを活用する
安否確認システムを定着させるためには、定期的な防災訓練でシステムを活用するのがおすすめです。たとえば、防災訓練時に安否確認メッセージの予約送信機能を使ってみることで、「通知が届かない」、「操作方法がわからない」、「専用スマホアプリの更新を忘れていた」などの具体的な課題を洗い出せます。
なお、トヨクモでは「安否確認サービス2」のご契約企業・団体様を対象に「全国一斉訓練」を毎年9月1日に実施しています。年に1度、社内の「安否確認システムの運用ルール」をブラッシュアップするきっかけとして、多くの企業様にご参加いただいています(参加は任意です)。興味のある方は以下の記事をご参照ください。
▶︎トヨクモ『安否確認サービス2』の全国一斉訓練2026、参加者が100万人を突破
日常的に活用する

安否確認システムは、普段の社内連絡にも活用できます。
たとえば、健康診断の案内や受診希望日の収集など、日常的な通知ツールとして使ってみるのもおすすめです。
平時からシステムに触れることで、従業員は「通知への回答」や「掲示板への書き込み」の操作に慣れていきます。災害時における回答スピードの向上にもつながるので、ぜひ取り入れてみてください。
企業防災の第一歩!安否確認システムを導入しよう
安否確認システムを導入する際は、まずは「何のために導入するのか?」という目的を社内で整理することから始めてみてください。その上で、必要な機能や操作性を備えた製品を比較し、自社に最適な安否確認システムを選定しましょう。
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編集者:遠藤 香大(えんどう こうだい)
トヨクモ防災タイムズ 編集長 RMCA BCPアドバイザー トヨクモ株式会社で災害時の安否確認を自動化する『安否確認サービス2』の導入提案や情報発信に携わる。トヨクモ防災タイムズではBCPや災害対策に関する記事の企画・執筆・編集を担当。専門家との連携や現場視点を取り入れながら、読者に寄り添う防災情報の発信を目指している。
